復活のフェイジョアーダ

「3年ぶりに美味しく頂きました」――。2005年6月、ブラジル岡山県人会の岡詢(まこと)会長(当時、66歳)は、ブラジルを代表する料理「フェイジョアーダ」の皿を前に、なにかをふっきったような晴れ晴れとした表情でそう言った。
それもそのはず、岡さんは同県人会館でフェイジョアーダの大鍋をひっくり返して全身大やけどの瀕死の重症を負った過去があるからだ。
ブラジルを代表する郷土料理フェイジョアーダは、黒豆を牛の耳や干し肉などと煮込んだもの。肉の脂分やゼラチン質がたっぷり溶け出し、やわらかくなった黒豆がどろどろのスープ状になっており、マンジョッカの粉をかけ、御飯と共に食べるこってりした料理だ。
なぜか土曜日の定番料理で、ブラ…