インタビュー
日本語と価値観をもとに育つ(英語)
(英語)家では日本語しか話しませんでした。前にも申し上げたとおり、私は学校に通うようになって初めて英語を学びました。父は夜間学校に通って、英語を勉強したので、英語の読み書きはかなり出来ましたが、母は全く駄目でした。ですから、母は私達には日本語を使うようにいつも言っていましたね。それで母からは日本語という言葉だけでなく、日本人の心、価値観も学びました。
例えば、年上を敬うこととか、「恩」という概念がありますよね。夕食前に家で遊んでいる時でも、父が帰宅する前には、きちんと顔を洗って、身なりをきれいにして、父が帰宅したら、「お帰りなさい」って言うようにいわれました。「外で働いて、お父さんは疲れて帰ってくるのだから」と母は言うんです。それに、「大人はいろいろ難しいことを抱えているんだから」って言うんですね。だから、「帰宅したときには、父を笑顔で迎えて、家に戻ったことに喜びを感じてもらわなくちゃ」、と言うんです。これは素晴らしい教えだと思います。また、誰か出かけるときは、必ず玄関にまでいって、「行ってらっしゃい」というんです。母はいつもこういうことを守っていましたね。
こういった色々細かなことでね、私の人生で、自分の価値観を育ててゆくという点では、随分役立ちましたね。
日付: 2006年5月31日
場所: 米国、ハワイ州
インタビュアー: アケミ・キクムラ・ヤノ
提供: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター
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和太鼓奏者・アーティスト。太鼓センター・オブ・ザ・パシフィック(Taiko Center of the Pacific)の芸術監督。(1952年生)
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