日本で琴奏者と共演 (英語)
(英語) 1980年代のはじめ頃は、日本で、琴や太鼓などのライブ演奏なんてものは、珍しかったんです。しかも、日系人の太鼓を聴く機会なんてほとんどありませんよね。僕は自分の太鼓を持って行きましたし、琴を持って行ったメンバーもいました。日系アメリカ人の僕が、日本に自分で作った太鼓を持って行くことは、僕にとってそれなりの意味がありました。
最初に演奏したのは、クラブだったのですが、ライブの後、数人の日本人が僕のところに来て、「素晴らしい演奏を、どうもありがとう。初めて太鼓や琴をみました」と言うんですね。彼らは太鼓や琴の発生の地の人たちであるにもかかわらずですよ。「えつ、本当ですか?日本には太鼓や琴なんて、どこにでもあるでしょう?」と聞き返しちゃいましたよ。でも彼らは、「そんなことないですよ」と言うんです。日本人の記者たちからは、「バンドに日本の楽器を入れようと思ったのはなぜですか?このような形にした趣旨は?」というような質問を受けたので、自分たちは子供の頃からこういう音楽を聴いて育ったことを説明しました。祖母の家に行けば、太鼓や民謡などの日本の様々な音楽がかかっていましたし、僕たちは小さい頃からずっとそんな音楽を聴いていたんです。アメリカで、日本の楽器を演奏することは必ずしも一般的なことではないかもしれないけど、日本の音楽の良さをアメリカ人たちに教えてあげるのも大切なことだと思ったんです。日本の人たちはそういうことを随分興味深そうに聞いていましたね。これが、「バンドに日本の伝統的な楽器を取り入れようと思ったきっかけは?」という質問への僕の答えでした。
僕らは日本へ行く前に、随分長い時間話し合った事のひとつが、今使っている自分たちの楽器を自信もって日本に持って行けるか、と云うとても重大なことでした。でも、日本からアメリカに帰る頃には、楽器を持って行ったことは、持っていったのは正解だったと思うようになっていました。日本へ行ったことは、いろんな意味でとても意義のあることでしたし、バンドとしてもすごく貴重な経験になりました。
日付: 2004年10月15日
場所: 米国、カリフォルニア州
インタビュアー: アート・ハンセン、ソージン・キム
提供: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター
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