インタビュー
公民権運動への参加 (英語)
(英語) 生き残ろうとする本能、それから精神的な意味での生存本能は、現実の難しい局面に直面し、それを乗り越えようとする時に生まれます。人はそういった局面を、本能的な、感覚的なレベルで乗り越えるのです。僕は自分がダメになってしまいそうだと感じ、何とかしなければならないと思いました。
その夏、僕は次から次へと災難に見舞われていました。僕は失意のただ中にありました。そしてその頃、テレビをつければ米国南部での目を見張るような劇的な事件が映し出されていました。黒人と白人の若者たちが、有色人種は立ち入り禁止とされたバーのカウンターに座り、コーラをかけられていました。彼らは床に突き飛ばされ、白人の集団に囲まれ、暴力にさらされていました。その集団は彼らを殺そうとしていました。それでも若者たちは立ち上がり、カウンターに戻って椅子に座り直すのです。そしてまたコーラがかけられ、床に突き飛ばされますが、彼らはまた立ち上がってカウンターに戻るのです。
何てことだと思いました。彼らの行動の意味が僕にはわかりました。心の底から理解することができました。僕には君たちの苦悩がわかる。君たちのその熱い気持ちは僕の気持ちでもある、と思いました。そしてあれこれ考えた結果、僕は自分の目で確かめなければならないと思いました。そして母にこう言いました。「お母さん、僕は夏の間まじめに働いた」その夏、僕はフォルクスワーゲン・ビートルを買うため、母に850ドル借りていました。町の主な夏期アルバイト先だった、リビー*の農作物の試料集めをするためです。すごく良いアルバイトでした。時給は良くありませんでしたが、十分貯金することができました。肝心なのは僕に足ができ、移動が可能になったことでした。僕は母に、「お母さん、僕は夏中一生懸命働いた。だから大学に戻って卒業する前にちょっと短い休暇を取るからね」と言って車に飛び乗り、南に向かって走り出しました。お母さんにはかわいそうなことをしてしまいました。その後約1年間、母と会うことはありませんでした。そして僕は大学を卒業しませんでした。
*注:主に缶詰を製造・販売する米国の食品会社
日付: 2011年2月9日
場所: 米国、カリフォルニア州
インタビュアー: パトリシア・ワキダ、ジョン・エサキ
提供: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター
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