インタビュー
家での規律と躾 (スペイン語)
(スペイン語) 母は父の影のような存在でした。いつでも父の指示に従って行動するので、私は不快に思うこともありました。でもそれが我が家のやりかたなんです。
今でも覚えているのが、当時の日本人男性というのは妻や子に対しては非常に厳しかったということです。子が父親と一緒に食事するということはあり得ませんでした。食堂で父親と食事だなんて想像もできませんでした。子供達は他の子供達と、又は女中さんたちと食事をとり、大人だけがメインテーブルで食事をしていたのです。すごい習慣でしたね・・・。
父が息を引き取る直前のことを、私はよく覚えています。父は母に「フィロ、フィロ」と呼ぶのです。「よく聞きなさい。頼みがある。絶対にベナンシオに学校を辞めさせてはいけないよ。勉強させるんだ」って、最後の力を絞って母に言ったのです。 私もその時は子供ながらびっくりしました(涙が込み上げます)。あの時のことを思い出すと、胸がつまります。感慨深いものがありますから。それと同時に腹立ちをおぼえるんです。
というのも、その時の話しに戻りますが、父は母に私の進学について言い遺し、母に念を押したんです。すると母は、「何を言っているんですか。この子は私の子でもあるんですよ!貴方に言われなくとも、もちろんきちんと勉強させますよ!」って。 あれは、初めて母が父に口答えをした時だと思います。私は、あまりに驚いて、一瞬身体が動かなくなりましたね。私は枕元に、母はベットの端へいて、父にガミガミと他のことも言ってたのですよ。「何が起こってるんだ?」って、自分なりに不思議に思いましたよ。そして、その数時間後、父はこの世を去りました。
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