デンマークのインディーロックバンド、Mew の曲「白い唇のいざない」は、日本愛を如実に表している。このバンドが日本語で曲を書き、歌うことを決めた明確な動機は推測に過ぎないが、全体的なジェスチャーについては多くのことが言える。まず、Mew は曲名を「White Lips Kissed」と翻訳しており、これは彼らの同名の英語曲の単なる翻訳であることを示唆している。しかし、歌詞自体は一致しておらず、日本語「バージョン」は同じメロディーを持つ別の曲になっている。次に、日本語で曲を書き、歌うことを決めたこと自体が興味深い。このバンドは明らかに日本文化に大きな愛着を持っており、少なくとも歌手の母国語ではない言語で曲を作るという挑戦を歓迎するほどである。さらに型破りで興味深いのは、日本と西洋諸国における音楽と言語の役割の逆転である。つまり、日本の多くのインディーロックバンドは、曲に程度の差はあれ英語を取り入れていることが多いが、英語圏の音楽グループが日本語を取り入れているのは、この珍しい例だ。このため、日本には美しさ（歌詞や曲調）と「クールさ」（「ヒップ」なロックバンドからの承認のうなずき）の両方が吹き込まれているのだ。