和泉 真澄
(いずみ・ますみ)
泉ますみ氏は京都の同志社大学グローバル地域研究科の北米研究教授。日系アメリカ人と日系カナダ人の歴史家で、戦時中の強制収容と強制収容、および強制収容後のコミュニティ形成活動について多くの著作がある。日本人ディアスポラの研究を通じて、ますみ氏は「市民権」や「ナショナリズム」といった概念をトランスナショナルな観点から再解釈しようとしている。著書に『アメリカの強制収容所法の興亡:強制収容からマッカーシズム、そして過激な1960年代までの市民的自由に関する議論』 (テンプル大学出版、2019年)がある。CHOICE、2020年優秀学術論文。ペーパーバックで入手可能。彼女はまた、帰米二世柔道の達人である龍生井上辰雄が書いた秘密の獄中日記である『トゥーリー湖監獄日記』を翻訳し、UCLA須山プロジェクトのウェブサイトで閲覧可能。真澄は2024年4月から同志社大学国際アメリカ研究所所長を務めている。
2024年6月更新
この執筆者によるストーリー
『破られた約束』— 日系カナダ人史に関する日本巡回展示が産んだ旧移民村同士の交流 — その2
2024年3月13日 • 和泉 真澄
その1を読む >> 2023年11月1日から2024年2月25日まで、滋賀県の東近江市にある滋賀県平和祈念館で、日系カナダ人の太平洋戦争中の強制移動と財産没収に関する展示『破られた約束-太平洋戦争下の日系カナダ人』が開催された。 この展示に合わせて、11月18日には和歌山県日高郡美浜町三尾からカナダ移民の子孫や郷土の移民史を学ぶ若者グループ「語り部ジュニア」の関係者たちが、滋賀県内から参集したカナダ移民の子孫や県の移民史を発掘するグループとの交流を果たした。日本からカナ…
『破られた約束』― 日系カナダ人史に関する日本巡回展示が産んだ旧移民村同士の交流 ― その1
2024年3月12日 • 和泉 真澄
2023年11月1日から2024年2月25日まで、滋賀県の東近江市にある滋賀県平和祈念館で、日系カナダ人の太平洋戦争中の強制移動と財産没収に関する展示『破られた約束-太平洋戦争下の日系カナダ人』が開催された。バンクーバーのカナダ日系博物館で制作され、カナダ各地を巡回したこの展示が日本でも開催されたことは、カナダの日系人研究と日本の移民研究を結びつけただけでなく、日本国内でも移民に関わるさまざまな地域間の新たなつながりを生み出している。 日本の移民史にとって記念すべき一日 …
太鼓の歴史 - その2
2010年3月22日 • 和泉 真澄
その1>>日本同様、アメリカでも太鼓は儀礼的な文脈から切り離されることによって、その機能が劇的に変化しました。1969年の夏、ロサンゼルスの洗心寺において、盆踊り終了後、太鼓を片付けていた開教師マサオ・小谷師と、寺の檀家の一人ジョージ・アベ氏がふと太鼓を打ち始めました。数時間後、豆が潰れて手から血を流しながら、二人は「これは面白いぞ!」と思いました。祖先の文化の継承と日米文化の混ざり合った独自の文化表現を同時に目指していた他の日系三世たちも、すぐにこの二人に加わりました。こ…
太鼓の歴史 - その1
2010年3月15日 • 和泉 真澄
人類文明のなかで、打楽器はおそらくもっとも古い楽器だといえるでしょう。事実、打楽器は書き言葉よりも昔からあると考えられています。たとえば、ナイジェリアのヨルバ地方では何千年もの間、ドラムが言語の代わりに使われてきました。ドゥンドゥン、またはトーキングドラムと呼ばれる太鼓は、2マイル先まで音が届きます。さまざまな近代テクノロジーが発明されるずっと以前から、ヨルバ族の人々は、トーキングドラムを使いリレー式にメッセージを伝えることにより、テレコミュニケーションを実現していたのです…
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