コミュニティフォーラム: 沖縄人とグローバルネットワークの追求
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全国有数の「移民の県」として知られている沖縄県。第2次世界大戦以前から、多くの移民を海外へ送り出してきました。移民数・海外在住者数は、全国でも一番です。移民した沖縄県人らは、海外で自らのコミュニティを築きつつ、世界のネットワークを通して沖縄との絆を深めてきました。
2006年10月、沖縄県那覇市に21カ国から約4900人が第4回世界ウチナーンチュウ大会へ参加するために集まりました。ウチナーンチュウ大会は、世界各地に広がる移民とその子孫-ウチナーンチュウ(沖縄県系人)-が沖縄へ戻ることで、彼らの祖先の文化や伝統に触れ、原点であるアイデンティティを確認。さらには、世界に広がるウチナーネットワークの継承といった幅広い交流を目指すとてもユニークなイベントです。
大会開催中、琉球大学移民研究センターは、沖縄系の人々の国境を越えたネットワークについて、大会参加者を対象にアンケート調査を行い、約800名の方から回答を集めました。
ディスカバー・ニッケイでは、この調査結果を皆さんにも知っていただこうと、琉球大学移民研究センターの教授3名をお招きし、カリフォルニア州ロサンゼルス市の全米日系人博物館でその調査結果を発表していただきました。
発表後、北米沖縄県人会の山内優子さん、サンフランシスコ州立大学のウェスリー・上運天(うえうんてん)さんのコメントをもって、ウチナーンチュウアイデンティティや次世代へ文化・ネットワークのの継承等について、プログラム参加者と共に意見交換を行いました。
プログラム終了後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のLane R. Hirabayashi教授(George & Sakaye Aratani Endowed Chair of the Japanese American Internment, Redress, and Community, Asian American Studies Department)のスポンサーによって、レセプションが行われました。沖縄の芸能パフォーマンスが披露されました。
このイベントの報告は下記のページから見ることが出来ます。
>> フォーラム通じ「ウチナーンチュの交流」呼びかける
Click here to see this collection in English:
>>Community Forum: Okinawans and Their Global Networks
協力: 琉球大学移民研究センター、Lane R. Hirabayashi, George & Sakaye Aratani Endowed Chair of the Japanese American Internment, Redress, and Community, Asian American Studies Department of the University of California at Los Angeles; 北米沖縄県人会
Slides in this album |
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満員御礼170人を超える参加者が集まりました。
Community Forum: Okinawans and Their Global Networks attendees |
プログラム開始午後2時にプログラムが始まりました。 琉球大学移民研究センターの先生方へ通訳の方が説明しています。
Introduction of Community Forum: Okinawans and Their Global Networks by Chris Komai |
クリス・コマイの挨拶で始まったプログラム全米日系人博物館のクリス・コマイ(Public information Officer)が、プログラム開始の挨拶を行い、CEOのアケミ・キクムラ・ヤノを紹介しました。
Chris Komai |
アケミ・キクムラ・ヤノ今年2月に全米日系人博物館のCEO(最高経営責任者)へ就任したアケミ・キクムラ・ヤノ。 ディスカバー・ニッケイのディレクターでもある彼女は、今回のプログラムの主旨を説明し、第4回世界のウチナーンチュウ大会のビデオを紹介しました。 その後、今プログラムのスポンサーでもあり、モデレーターでもあるカリフォルニア大学ロサンゼルス校レーン・ヒラバヤシ教授へバトンを譲ります。 |
レーン・R・ヒラバヤシ教授今プログラムのモデレーターはカリフォルニア大学ロサンゼルス校レーン・ヒラバヤシ教授(George & Sakaye Aratani Endowed Chair, Asian American Studies Department)。 琉球大学移民研究センターのパネリスト3教授を紹介してくれました。 |
発表者: 金城宏幸教授最初の発表者は琉球大学金城宏幸教授(法文学部)。専門分野はスペイン文化論、言語研究、言語社会学。最近はウチナーンチュウのアイデンティティとネットワークに関心を持つ。 金城教授の発表では、ウチナーンチュウ大会での調査結果の概要と、沖縄移民の歴史について述べてくださいました。 発表内容についてのエッセイが下記のリンクからご覧になれます。
Hiroyuki Kinjo |
発表者: 野入直美教授二人目の発表者は琉球大学野入直美教授(法文学部)。専門は比較社会学。沖縄のアメラジアン、日系人、外国人についての調査、ハワイのアメラジアン、ウチナーンチュウのアイデンティティについて調査研究を行っています。 プレゼンテーションのタイトルは、「Identity, Uniqueness of Hawaii and Gender of Uchina Networking (ウチナーネットワークにおけるアイデンティティ、ハワイの特殊性とジェンダー)」。 彼女の発表内容に関するエッセイはこちらから。
Naomi Noiri |
ビデオクリップ: 野入 直美野入直美教授のプレゼンテーション (英語) |
発表者: 鍬塚賢太郎教授最後の発表者は琉球大学の鍬塚賢太郎教授(法文学部)。専門は人文地理学。今回のアンケート調査ではデータベース作成やデータ集計などを担当しました。プレゼンテーションタイトルは「Geographical Experiences of Uchinanchu's Migrations Between the Birthplace and the Place of Residence (ウチナーンチュの移動:出生地と居住地の分析)」。 人の移動と地域間関係・地域開発に関心をもち、ほかにも、米軍が第2次世界大戦以降に沖縄や日本をはじめとするアジア地域について作成した地図(AMS図)についても研究しています。 鍬塚教授の発表についてはこちらから: |
コメンテーター: 山内優子琉球大学の教授らの発表に続き、二人のコメンテーターを壇上へ迎えました。 最初のコメンテーターは北米沖縄県人会の山内優子さん。沖縄へ住んでいた時に行われた世界のウチナーンチュウ大会に参加した自らの経験談を語ってくれました。 ウチナーンチュウ大会へ参加したことがある人はどれくらいいらっしゃいますか??という彼女の問いかけに対し、会場の多くの方が手を上げていました。 彼女の体験談はエッセイでご覧ください。
Yuko Yamauchi |
コメンテーター: ウェスリー・上運天教授もう一人のコメンテーターはサンフランシスコ州立大学Asian American Studies Departmentのウェスリー・上運天(うえうんてん)教授。 ウチナーンチュウにとっての心と心のコミュニケーション・つながり、体験談や逸話をシェアすることの重要性について語ってくれました。 上運天教授のエッセイはこちらからご覧になれます。
Wesley Ueunten |
ビデオクリップ 1: ウェスリー・上運天教授ウェスリー・上運天教授のコメント
Okinawans and Their Global Networks - Family Stories Part 1 |
ビデオクリップ 2: ウェスリー・上運天教授ウェスリー・上運天教授のコメント
Okinawans and Their Global Networks - Family Stories Part 2 |
ビデオクリップ: ウチナンチュー大会ウチナンチュー大会について
Okinawans and Their Global Networks - Taikai Stories Part 2 |
質疑応答参加者の多くが、パネリストらに質問。
Mo Nishida |
レセプション質疑応答を持って、プログラムが終了しました。 プログラム終了後には、レセプションが行われ沖縄の芸能パフォーマンスが披露。 多くのプログラム参加者はこのレセプションにも参加しました。
Community Forum: Okinawans and Their Global Networks attendees |
三線のパフォーマンスパネリストのウェスリー上運天教授、山内優子さん、野入直美教授の三名が沖縄三味線ー三線(さんしん)を披露してくれました。 3人が一緒に演奏したのは始めてのことで、このプログラムの数時間前にリハーサルを行ったのみ。にもかかわらず、立派な演奏を聞かせてくれました。 |
琉球国祭り太鼓ロサンゼルスに支部を持つ琉球国祭り太鼓。 |
パワフルなパフォーマンス!沖縄の太鼓はとてもパワフル! |
ジョン・シロタ氏とその家族劇作家ジョン・シロタ氏も家族と共にこのプログラムに参加してくださいました。 シロタ氏はこの劇の裏話をディスカバー・ニッケイで紹介しています。 |