「トランスパシフィック・ボーダーランド」 アーティストプロフィール
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「トランスパシフィック・ボーダーランド:リマ、ロサンゼルス、メキシコシティー、サンパウロにおける日系ディアスポラのアート」展では、ラテンアメリカおよび南カリフォルニアのラテンアメリカ・コミュニティの日系人アーティストの体験を探求します。このショートビデオシリーズでは、展示作品やアーティストの背景、ラテンアメリカと南カリフォルニアにおけるニッケイとしてのアイデンティティについて、アーティスト自身が語ります。 毎週新しいアーティストプロフィールを更新します。お楽しみに!
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「トランスパシフィック・ボーダーランド:リマ、ロサンゼルス、メキシコシティー、サンパウロにおける日系ディアスポラのアート」展は、全米日系人博物館で2017年9月17日から2018年2月25日まで開催中です。 この展示に関する詳細は下記のウェブサイトをご覧ください。 janm.org/transpacific-borderlands
Japanese American National Museum
100 N. Central Ave. Los Angeles, CA 90012
janm.org
* この展覧会はゲティ基金の支援を受け、ゲティ財団が主催するロサンゼルスとラテンアメリカおよびラテンアートの交流を促進する「パシフィックスタンダードタイム:LA/LA<」(バンク・オブ・アメリカ協賛)の一環として開催されます。
Slides in this album |
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マダレナ・ハシモト1956年、ブラジル・サンパウロ生まれ。サンパウロ在住。 ワシントン大学にて修士号取得(版画専攻)、サンパウロ大学にて博士号取得(哲学専攻)。現在、サンパウロ大学および大学院で日本学の教鞭をとりながら、日本文学の翻訳家、春画の研究家としても活躍。木版画や和紙、墨といった日本の技法や素材を使いつつも西洋の芸術の影響も見られるハシモトの作風は、日系ブラジル人としてのハイブリッドなアイデンティティの表出とも言える。 |
パッツィ・ヒグチ1972年、ペルー・リマ生まれ。 パッツィ・ヒグチは、アーティスト一家に生まれ、父から絵画、母から陶芸を学ぶ。ペルー国立大学で6年間絵画を専攻。1993年、現在の夫であるキューバ人アーティスト、A・アレクシス・ガルシアと出会い、アーティストのための印刷工房カウリ・タエール・デ・グラフィカ・エクペリメンタルを設立。ヒグチはキューバ・ハバナにゲストアーティストとして招かれ、夫婦でそこに短期間暮らした後、ペルーに帰国。現在、リマ在住。
Patssy Higuchi |
入江一郎1969年、東京都生まれ。現在ロサンゼルス在住。 入江一郎は、2歳の時に渡米。カリフォルニア州クレアモント大学大学院にて美術学修士号を取得。ロサンゼルスをはじめ、ニューヨーク、メキシコシティー、東京、ロンドンなど世界各地の美術館やアートギャラリーでその作品が展示されるなど世界的に活躍するアーティストの一人である。キュレーター、コンテンポラリーアートマガジン「RiM」(2002〜2007年発行)の創刊者兼編集者でもあり、2009年からはロサンゼルスのアートギャラリーJAUSのオーナー兼ディレクター。現在、同じくロサンゼルスのエイティーンストリート・アーツセンターのアーティスト・イン・レジデンス。
Ichiro Irie |
エリカ・カミニシ1979年、ブラジル・マトグロッソ生まれ。フランスのレ・パヴィヨン=スー=ボワ在住。 日本大学修士課程修了。10年間日本に暮らした経験がある。日本とブラジルでアーティストとして活動しており、日本では2010年に「あいちトリエンナーレ」、2012年に「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で作品を展示。その作品には、日本庭園や日本画など日本文化と、ポルトガルの詩人フェルナンド・ペソアの詩などポルトガル語文学の影響が見られる。
Erica Kaminishi |
サンドラ・ナカムラ1981年、ペルー・リマ生まれ。リマ在住。 サンドラ・ナカムラは、ドイツのワイマール・バウハウス大学にて美術修士号を取得。作品と展示される場所および時間との関係にこだわり、日常生活で出会う物や状況を素材としたナカムラの作品は、我々を取り巻く社会や政治環境に対して意識的なまなざしを向けるように促す。ペルーのセントロ・アビエルト、コロラド州デンバーで開催された「ビエンナーレ・オブ・ジ・アメリカス」、サンフランシスコのCCAワティス・インスティトュート、エクアドルの「クエンカ・ビエンナーレ」で展示が行われたほか、2016年のシスネロズ・フォンタナルズ美術基金の新鋭アーティスト部門受賞など数多くの賞を受賞。
Sandra Nakamura |
オスカール・オオイワ1965年、ブラジル・サンパウロ生まれ。現在ニューヨーク在住。 サンパウロ大学建築・都市工学部卒業後、「サンパウロ・ビエンナーレ」にて作品を展示。その後、日本に11年間在住。世界的に有名な日系ブラジル人アーティストの一人であり、世界20カ国以上で展示が行われてきた。オオイワ自身は日系人やブラジル人という意識に止まらず、世界市民として自らを捉えている。オオイワの作品は東京の国立近代美術館、東京都現代美術館、アリゾナのフェニックス美術館などに所蔵されている。
Oscar Oiwa |
太田清人1948年、長崎県生まれ。現在メキシコ・メキシコシティー在住。 1972年にメキシコに渡る。日本美術学会とメキシコ国立絵画・彫刻学院ラ・エスメラルダで学ぶ。ラ・エスメラルダではのちに彫刻を教えた。サンカルロスの国立芸術学校で修士号(彫刻専攻)を取得し、2006年より同大で石材彫刻の教鞭をとっている。さまざまな芸術賞を受賞しているほか、システーナ・ナシオナル・デ・クレアドレス・デ・アルテなどの学会の特別研究員にも選ばれている。
Kiyoto Ota |
ユリコ・ロハス・モリヤマ1981年、メキシコ・メキシコシティー生まれ。現在メキシコシティー在住、トルカ・デ・レルドで活動中。 ユリコ・ロハス・モリヤマは、メキシコ州立自治大学美術学校卒業後、同大大学院でビジュアルスタディーズ修士号取得。ビジュアルアートを教えると共に、研究者、博物館学芸員、デザイナー、アーティストとしても活動している。2007年からはメキシコと世界各国のアーティストの作品を紹介する展覧会を企画・運営し、地元の若手アーティストの作品を紹介する展覧会を実施。2005年よりユニバーシティー・ビエンナーレ・オブ・ビジュアルアート委員会メンバー。 |
シズ・サルダマンド1978年、サンフランシスコ生まれ。現在、ロサンゼルス在住。 ミッション地区で生まれ育ち、2000年にUCLA美術・建築学科を卒業。2005年、カリフォルニア芸術大学大学院修了。サルダマンドは絵画という一般的な媒体のみならず、実験的な媒体を使って表現を続けており、その作品はスミソニアン・ナショナル・ポートレート・ギャラリーにおける「ポートレーツ・オブ・ジ・エンカウンター」展(2011年)をはじめ話題を集めた数々グループ展で展示されてきた。アーティスト運営のロサンゼルスのギャラリー「モンテビスタ・プロジェクツ」共同設立者。
Shizu Saldamando |
ケンジ・シオカワ1938年ブラジル・サンパウロ生まれ。現在、ロサンゼルス在住。 1964年にロサンゼルスに移住し、72年にシュイナード芸術学校(現在のカリフォルニア芸術大学)卒業。74年にはオーティス芸術学校(現在のオーティス・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン)修士課程修了。シオカヴァが生み出す木とマクラメからなるトーテム彫刻には、日系人でありブラジル人である彼のルーツが見える。2016年にハマー美術館で開催された「メイドインLA2016」展に参加し、マン賞を受賞。2021年6月18日逝去。
Kenzi Shiokava |
竹田信平1978年大阪府生まれ。メキシコのティフアナおよびドイツのデュッセルドルフ在住。 竹田信平は、ビジュアルアーティストおよび映画製作者。マルチメディア・インスタレーション、サウンドアート、ドキュメンタリー映画、大判写真を使ったインスタレーション、コミュニティーとの共同ブロジェクトなどの手法で、「記憶」と「歴史」にまつわるさまざまなテーマを扱った作品を生み出してきた。写真に触れる機会を提供することを通して、サンディエゴに移住した難民の子どもたちやコロンビアおよびタイのホームレスの若者たちを支援する非営利団体「AjAプロジェクト」の設立者およびクリエイティブディレクターでもある。
Shinpei Takeda |
エドゥアルド・トケシ1960年、ペルー・リマ生まれ。現在、リマ在住。 エドゥアルド・トケシは、ペルー・カトリカ大学美術学部卒業。スペイン植民地時代と現在のペルーのイメージが混じり合ったその作品は、アイデンティティーと帰属意識を浮かび上がらせる。トケシの作品は、ペルーのみならず、ラテンアメリカ各地で展示されており、サンパウロ・ビエンナーレやハバナ・ビエンナーレにもペルー代表アーティストとして参加するなど国際的にも活躍している。
Eduardo Tokeshi |
タロウ・ソリージャ1980年、メキシコ・メキシコシティー生まれ。現在、メキシコシティー在住。 タロウ・ソリージャは、早稲田大学理工学部建築学科およびメキシコ国立自治大学建築学科卒業。2007年、第1回リスボン建築トリエンナーレのメキシコ館に招待作家として出展。2010年、在メキシコ日本国大使館日本文化センターをデザイン。ソリージャの作品は、ある集団の価値観や知識、構成員の夢といったものを集めることで、その集団が理想とする姿を再構築または浮かび上がらせ、普段は意識しない社会の行動規範や道徳観を問い直すものである。中でも人間の移住・移民というテーマと関連する多文化・多国籍社会に焦点が当てられることが多い。
Taro Zorrilla |
「トランスパシフィック・ボーダーランド:リマ、ロサンゼルス、メキシコシティー、サンパウロにおける日系ディアスポラのアート」展「トランスパシフィック・ボーダーランド:リマ、ロサンゼルス、メキシコシティー、サンパウロにおける日系ディアスポラのアート」展は、全米日系人博物館にて2017年9月17日から2018年2月25日まで開催しています。 この展示の詳細は、下記のウェブサイトをご覧ください。 Japanese American National Museum *この展示はゲティ基金の支援を受け、ゲティ財団が主催するロサンゼルスとラテンアメリカおよびラテンアートの交流を促進する「パシフィックスタンダードタイム:LA/LA」(バンク・オブ・アメリカ協賛)の一環として開催されます。
Transpacific Borderlands: The Art of Japanese Diaspora in Lima, Los Angeles, Mexico City, and São Paulo |