(英語) アメリカを4、5年離れていたので、(帰国後は)英語を学ぶためにSC(南カリフォルニア大学)の夜間学校に通いました。日本では(先生に)絶対質問できませんが、SCでは先生の方が「何か質問はありますか?質問はありませんか?」と聞くんです。私は質問したいことが沢山あって、それができるので(その時は)「これがアメリカなんだ」と思いました。質問ができて、先生と親しくなれることがとても嬉しかったですね。
でも日本は違います。本当に違います。見て学ばなくてはならず、あまり良い言葉ではありませんが「“盗る”ことをしなくては(盗んで学ばなければ)ダメ」と言うんです。「盗る」つまり「盗む」という意味ですから。それが(日本流の)学び方なのです。先生は今日このやり方でやったかと思うと、次の日は違うやり方でやります。私たちは先生のどこがどう違うのかを見極めなくてはなりませんでした。時にはお化粧の仕方が違い、その時は「お化粧の仕方が違います」と言わなくてはなりません。ですから何が昨日と違うのか、書き留めておく必要がありました。
またお稽古をしている時は・・・7・・・向こう側にいる人たちが何をしているかも分かっていなくてはなりません。自分のパートだけを学ぶのではダメで、全体で何が起きているのかをわかっていなくてはならないのです。その為にも他の人が何を考えているか、彼が何を考えているかをわからなくてはならなりません。「こころの空間」つまり「その場の状況を感じ取る」ことが必要なんですね。これが私が(日本で)学んだことです。お陰で収容所で(踊ったとき)は、自分の感情を観ている人たちに注ぎ込むことができました。その時のお客様の反響は、本当に素晴らしいものでした。これが日本で私が学んだことです。
日付: 2004年11月30日
場所: 米国、カリフォルニア州
Interviewer: ナンシー・アラキ、ジョン・エサキ
Contributed by: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター