(英語)トレイそのものはプラスチックなので、今日では色々な会社が作っています。UCLAはトレイの特許を取らなかったので、誰が作ってもいいのです。重要なのはトレイの中に入る試薬(reagent)1です。つまりHLAタイプを決定するためにはどの試薬をトレイの中にいれるかが重要なのです。
私達が開発したトレイを販売し始めた頃、米国立衛生研究所(NIH)では、(NIHが支援を打ち切ったことで)UCLAで閉鎖された研究プログラムを引き続き行っていて、(NIHが開発した試薬入りの)トレイを他の臓器移植センターに無料で提供していました。その後、約5年間の(開発)競争が続いた後、NIHはついに敗れセンターにトレイを無料で提供するのを止めました。皆は無料のトレイなんて欲しがらなかったのです。何故かというと、トレイそのものよりも中身の試薬が重要だからです。
これ(トレイにどの試薬をいれるか)が我々がUCLAで培ってきたノウハウで、その後One Lambda社(会長はポール・テラサキ氏)に引き継がれていきました。これが最高基準というかは分かりませんが、少なくとも競争相手より優位にたてるよう、可能な限り最良のトレイを作る努力をしています。それは今でも同じです。
1. 試薬 (reagent) とは科学反応に使う物質で、他の物質の存在を検出するために使用する。
日付: 2004年2月10日
場所: 米国、カリフォルニア州
Interviewer: グウェン・ジェンセン
Contributed by: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター