ニッケイ物語 10—ニッケイの世代:家族と コミュニティのつながり
「ニッケイ物語」シリーズ第10弾「ニッケイの世代:家族とコミュニティのつながり」では、世界中のニッケイ社会における世代間の関係に目を向け、特にニッケイの若い世代が自らのルーツや年配の世代とどのように結びついているのか(あるいは結びついていないのか)という点に焦点を当てます。
ディスカバー・ニッケイでは、2021年5月から9月末までストーリーを募集し、11月8日をもってお気に入り作品の投票を締め切りました。全31作品(日本語:2、英語:21、スペイン語:3、ポルトガル語:7)が、オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、ブラジル、米国、ペルーより寄せられました。多言語での投稿作品もありました。
このシリーズでは、編集委員とニマ会の方々に、それぞれお気に入り作品の選考と投票をお願いしました。下記がお気に入りに選ばれた作品です。(*お気に入りに選ばれた作品は、現在翻訳中です。)
編集委員によるお気に入り作品
- 日本語:
お役に立つ喜び ー 日本語勉強会
石井 かず枝 - 英語:
バアチャン、あなたの庭の様子はね
キーラ・カラツ - スペイン語:
悲しむべき友情の終わり
ホセ・ヨシダ・セリカワ - ポルトガル語:
二人のおじいちゃん
アナ・シタラ
ニマ会によるお気に入り作品:
- 星43個:
奉仕の精神
トロイ・ミヤザト
* このシリーズは、下記の団体の協力をもって行われています。
このシリーズのストーリー
二人のおじいちゃん
2021年9月14日 • アナ・シタラ
昔は、清涼飲料を瓶で飲んでいた。使い捨てプラスチックボトルが普及する前、空瓶を木箱に詰めて、店に返し、また、飲み物を買ったものだ。おじいちゃんはいつも緑色の小瓶の「ガラナ」を買って冷蔵庫に入れ、孫たちが来るのを待っていた。栓抜きで瓶の蓋を開けたときのガスの音を聞くと、私は、今でも、昔のキッチンを思い出す。 そこには、まだ子供だった私と頼りがいのあるおじいちゃんがいる。ポルトガル語がよく話せなかったおじいちゃんだったけれども、私に愛情をたっぷり注いでくれているのが分かった。…
誰にも奪えないもの
2021年9月10日 • オールデン・M・ハヤシ
私の二世の母は魅力的な女性でしたが、物質主義ではありませんでした。実際、彼女はほとんど熱烈な反物質主義でした。例えば、近々行われる家族の結婚式で一番いい格好をしたいときなど、どうしても必要なときだけ、おしゃれな服にお金を使いました。そして、彼女は自分のために宝石を一つも買ったことはなかったと思います。彼女が所有していた本当に素敵なものはすべて、家族や他の親戚から贈られたものでした。そして、その場合でも、彼女はそれらの品物を身に着けたり使用したりする喜びを自分に与えませんでし…
私たちの古い家族アルバム
2021年9月9日 • メアリー・スナダ
母がアルツハイマー型認知症と診断され、亡くなって以来、私はページに写真が貼り付けられていたり、写真コーナーに写真がはめ込まれていたりした古い家族アルバムを見てきました。母、祖母、いとこたちと写っている自分の赤ちゃんの頃の写真がたくさんあるのに、父の写真が数枚しかないことに驚きました。誰も私に父のことを話したことはありませんでした。父は私の家族アルバムの中の幽霊でした。私の目は、写真のないページに偶然焦点を合わせました。写真の角が 4 つだけ黒く塗られており、他のページには知…
グラミー賞ノミネートフルート奏者ロン・コーブの日本への旅
2021年9月1日 • キーラ・カラツ
グラミー賞にノミネートされたフルート奏者で作曲家のロン・コーブが日本での体験を語り始めると、彼の目には純粋な興奮の輝きが浮かびます。「毎日、何か新しいこと、何か刺激的な小さなことがありました」と彼は回想します。「退屈することはありませんでした。毎分毎分が楽しかったです。」良いこと、悪いこと、美しいことまで、コーブは日本を21回訪れる価値があるものにした出来事を回想します。コーブの日本への旅は、1920年に日本人移民の家庭に生まれた母親のマリコ・「メアリー」・エンニュから始ま…