ディスカバー・ニッケイ

https://www.discovernikkei.org/ja/interviews/clips/486/

インタビュー

キップ・フルベック

映画製作者・アーティスト(1965年生)

意識的プロセスとしてのアイデンティティ (英語)

(英語) プロジェクトをやったとしてもやらなかったとしても、私自身のアイデンティティは変化していると思います。アイデンティティは意識的に継続するプロセスです。私達は、自分で意識的そして時には無意識に何をしたいかにより、または誰と付き合うかなどにより常に自分が何であるかを再定義していくのです。私自身もライフガードの友人と話す時やごく親しい人間と一緒にいる時、日本に住んでいる時には違う話し方で話しますし、ハワイに住んでいる時はピジン(英語)にすぐ切り替えますしね。私達のアイデンティティが流されていく何かがあるのです。

例えば、これは大学で(生徒達に説明するとき)使うものですが、誰かが電話で話をしているのを聞いているとして・・・そうですね、あなたのルームメートが電話で話しているとしましょうか、その男性は母親と話していて「うんわかった、うんわかった、うん、じゃそろそろ行かなきゃ」と言って電話を切ります。次に上司と話しこう言います「いや大丈夫ですよ。ははは、そうですね。そうですね。わかりました。失礼します」そして次にバーで会った女性に電話をし「ヘイ・ベイビー元気?」となるわけです。私達にはこうした振る舞いがあるのです。ですからアイデンティティはプロセスであり、我々(のアイデンティティ)は常に変化していると思うのです。


アイデンティティ

日付: 2006年5月3日

場所: 米国、カリフォルニア州

インタビュアー: ジム・バウワー

提供: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター

語り手のプロフィール

1965年、キップ・フルベックは中国人の母とイギリス・アイリッシュ系の父の元に生まれました。5歳の時、中国人の従兄弟に「ハパ」と言われました。当時はその単語の意味について深く考えることはなかったのですが、成長するにつれ、混血としての自分のアイデンティティを表す適切な言葉ない(あったとしても差別的な意味を含んでいるものが多い)ことに気づき、「ハパ」が持つアイデンティティとしての現実的・人間味のある側面を押し出すための方法について考え始めました。

フルベックが「ハパ」アイデンティティを追求してみようと始めたのが、ハパ・プロジェクトです。ハパの顔写真をとり、「あなたは何ですか?」という質問にそれぞれ自分の言葉で回答してもらうのです。現在、約1000人以上のさまざまな世代・職業をもつハパの写真を撮り終えています。このプロジェクトはPart Asian, 100% Hapa (Chronicle Books, 2006)として出版され、2006年6月8日から10月29日にかけて全米日系アメリカ人博物館で行われる特別展kip fulbeck: part asian, 100% hapaに見ることができます。

1990年以来、フルベックはハパ・アイデンティティに関する映画やアートを手がけています。アイデンティティ、他人種・他民族、ポップカルチャーなどのトピックにおける著名なアーティストであり、彼の手がけた映画やパフォーマンス、写真などは世界各国で賞を得ています。現在、フルベックはカリフォルニア大学サンタバーバラ校芸術学部の学部長・教授であり、アジア系アメリカ人研究とフィルム研究の教員も兼任しています。優れた教授におくられるOutstanding Faculty Member Awardを過去三回受賞しています。(2006年5月3日)

サブリナ・シズエ・マケナ

カミングアウトが家族に与えた影響

(1957年生まれ) ハワイ州最高裁判所判事。