ディスカバー・ニッケイ

https://www.discovernikkei.org/ja/interviews/clips/728/

太鼓に見る仏教哲学 (英語)

この太鼓演奏の独特の形が、僕にはなんとなくピンと来て、この世界に引き込まれたんです。先生なんて人はいませんでしたが、太鼓は日本の文化だし、仏教に繋がる側面がありますよね。少し難しい言い方をすれば、マサオ・コダニ師も仰っているんですが、演奏をする時は無心、無我の状態です。そういった状態を保つよう努めなければなりません。共同体の縮図みたいなのが太鼓グループですから、その全体の中では個人的な問題もいろいろ起ってきます。それに常に対処しなければなりません。演奏中は、しっかりと自分のパートを果たしつつ、同時に皆さんのこともちゃんと抑えておかなければなりません。そういう意味では、太鼓と仏教哲学や仏教の考え方はどこかで繋がっていると思うし、そういった点では仏教的考え方がグループの前進に貢献していると思いますね。そんなことで、一進一退をくりかえしているうちに、ある日突然このような小さな家族みたいな太鼓グループが出来たということでね。仏教の教え、浄土真宗ですが、その教えを実生活に生かしたということですね。要するに、自分の周りきちんと理解して、その周りに積極的に参加していく、という簡単なことなんですがね。


ドラム 太鼓 宗教 音楽

日付: 2004年10月15日

場所: 米国、カリフォルニア州

インタビュアー: アート・ハンセン、ソージン・キム

提供: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター

語り手のプロフィール

ジョン・ユキオ“ジョニー”・モリ氏はロサンゼルス出身の音楽家、芸術家、教育者兼役員です。

1949年11月30日、日系一世の父と日系二世の母の間に生まれ、若い頃は、活動家、徴兵反対者であり、1970年代のアジア系アメリカ人運動ではかなり問題を起こした人物でした。更に(同時期)、ロサンゼルスのリトル東京でアメラジア・ブックストアを経営していました。この書店は、共同書籍販売を行うだけでなく、コミュニティの集会や、政治活動、パフォーミング・アートを行う場でもありました。そして2003年に引退するまで、ジャズ・フージョンバンドHIROSHIMAのパーカッショニスト(打楽器・和太鼓奏者)として世界各国を周りました。

モリ氏は、全米初の日系アメリカ人太鼓グループの1つである緊那羅(きんなら)太鼓の主要メンバーであり、過去20年間に渡り、太鼓や日系アメリカ人文化を、小学校から大学の生徒までの幅広い層に、ワークショップを通じて教えてきました。現在は、ロサンゼルスの日米文化会館(JACCC)でパフォーミング・アートのプロデューサーを務めています。(2007年6月13日)