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日系(ニッケイ)—をめぐって

第11回 「ジョン万次郎」を英語で出版—カリフォルニア在住の貿易業、尾崎賢助さん

尾崎賢助さん

高知県出身で、長年アメリカで貿易業などを営んできた尾崎賢助さん(83)=カリフォルニア州在住=がこのほど郷土の偉人、ジョン万次郎の生涯を追った英語の小説「The Destiny of a Castaway JOHN MANJIRO」を自費出版した。中米やアメリカでさまざまなビジネスに挑戦してきた尾崎さんに、出版の動機や反響、映画化構想などについてきいた。

* * * * *

Q. なぜジョン万次郎をとり上げようと思ったのですか。

尾崎: 万次郎は、私の出身地高知県の誇る最右翼の人物で、海外に飛躍したい私の目標でした。私は、27歳の時、思い切って会社を辞めてパナマへ渡航し、その後カリブ海を中心とした貿易に従事して、何とか海外生活をまっとうしています。

Q. 英語で出版したのはなぜでしょうか。

尾崎: 万次郎の研究書は日本では数多くあります。海外ではアメリカ人の愛好者が書いたものが少数出版されていますが、当時の日本の状況を十分理解していないと感じられたので、日本人の立場で英語で書いて、アメリカだけでなく全世界に知らせたいと考えました。私費で出版しましたが、近日中にKindleから、私の書いた他3作と同時に出版される予定です。

Q. 万次郎が語る一人称の小説の形をとっていますが、それはどうしてでしょうか。

ジョン万次郎の生涯を追った小説「The Destiny of a Castaway JOHN MANJIRO」

尾崎: 最初、映画の脚本の形で書いてみましたが、映画はできるかどうか不明なので、とりあえず一人称の小説にしてみました。これで、一般に読んでもらえると考えました。

Q. 今回の作品が完成するまでのプロセスを教えて下さい。構想から完成までどのくらいかかりましたか。もっとも苦労されたところ、もっとも書き進めていて楽しかったことは何でしょうか。

尾崎: 毎年、高知に帰っていましたが、弟の三郎が国際ジョン万クラブに入会している関係から著名な万次郎の研究家である永国敦哉氏に10年前にお会いし、永国氏が出版した数冊の本をもらって話を聞いているうちに興味を持ちました。永国氏は、北代淳二氏と共著で「(ジョン万次郎)漂巽紀略1」を英語に翻訳して出版しています。

構想は10年前で、映画を作れば、世界中に万次郎が知られるのではないかと単純に考えた所から始まります。まず、日本で出版された本を購入して参考にしました。研究家ではないので筋の面白い本を参考にしました。

万次郎自身の残した資料も多く、それらをつなぎ合わせましたが、FAIRHAVENの学生時代が空白になっており、この間ただ勉強だけしていたわけでなく結婚したい彼女がいたのではないかと想像して、小説の形にしました。

Q. ジョン万次郎の生涯、生き方のどのようなところに惹かれましたか。

尾崎: 万次郎の生き方は、天の指示に従って,その場その場で最善を尽くしたことですが、本人は天の指示とは気づいてなく、天の指示は後世の我々が推察しているわけです。我々も同じことで、過去を思い出すと運命(天の指示)を感じるので、万次郎の生き方に共感を持てるわけです。

Q. 高知県は海に開かれた県ですが、高知県人の気質とジョン万次郎のような生き方とは関係あるでしょうか。尾崎さんの場合はいかがですか。

尾崎: 高知県人には二つの気質があります。海に近い地方の気質(海洋型)と山の住民の気質(山岳型)です。海洋型は、万次郎、坂本龍馬、岩崎弥太郎、後藤象二郎,吉田茂など。山岳型は、牧野富太郎、寺田寅彦、中江兆民、幸徳秋水(学者型)などです。私は、海洋型で、海外に出たことが正解だったようです。

Q. この作品をアメリカでは、どのように広めていますか。どんなところに配布、あるいは販売していますか。

尾崎: 日本領事館、日本語学校、図書館、日本に関連した機関などに寄贈する予定です。

Q. アメリカ人の読者(ジョン万次郎を初めて知ったという人)の反応、反響はいかがでしょうか。

尾崎: 日本に関係のない隣人の会合で配布してみました。昔はアメリカが捕鯨の先進国で鯨油をヨーロッパに輸出していたことや日本との関係も、(この本で)初めて知ったと言っており、またストーリーが面白くて一気に読めたと言ってくれました。中学程度の英語なので、読みやすいのでしょう。

Q. この小説をもとにした映画製作を企画していると聞きましたが、これについて教えてください。

尾崎: 最初の発想が、映画にすれば世界中で見てくれるという考えなので、目標は映画化です。Amazon・Kindleで発売する予定の本を読んだ投資家が出てくるかどうか、ハリウッドのプロデューサーにコンタクトすることももちろん考えていますが、出演する日本人の俳優がアメリカ人の倍ほど多いので日本の映画会社・投資家にアイデアを売り込んで、アメリカの映画会社とジョイント・ベンチャーにできれば映画化する可能性があると考えています。

Q. (ジョン万次郎とは直接関係ありませんが)長年アメリカで暮してきて、アメリカの日本人、日系人に対してどのような感想をお持ちでしょうか。

尾崎: 私の娘(2世)の例として、アメリカ人と結婚すると、その子供は、英語だけを使うため、日本への興味もあまりないようです。日本についての英語の読本も小・中学校生向けは少ないようで、私の本は日本の明治維新前後の歴史を分かりやすく書いたつもりです。若い世代に日本について教えていくことが大切だと思います。

Q. 尾崎さんのこれまでの、海外生活の変遷とお仕事2について教えてください。また、現在取り組んでいること、今後取り組みたいことを合わせてお聞かせください。

尾崎: 28歳の時に、大阪外語大で勉強したスペイン語を使って海外で独立してみたいと思いパナマに移住、その後カリブ海(Puerto Rico, Dominican Republic)を拠点に貿易の仕事をしながら、USAの永住権を取得してフロリダのSt.Petersburgで日本レストランを始めたり(53年前には、日本レストランはFloridaでは2軒目でした)St.Johns River(フロリダ)でウナギを見つけて、冷凍にして日本へ輸出したり、Colorado/Kansasでホルモン焼きの材料を作らせて日本へ輸出したりと、いろいろやってみましたが、いずれも時期尚早でうまく行きませんでした。

結局、日本の商社で取り扱っていた鉄鋼製品を、貿易商社を通じてフロリダ州に販売したり、カリブ海での貿易を続けてsurvivveしたわけです。

2019年に、それまで40数年住んだマイアミからカリフォルニアに移転して、引退する予定でしたが、4冊英語で書いた脚本を小説化しようと考えると同時に、昔からやりたかった大きな商売(石油製品、天然ガス、鉄鉱石を政府関係企業—中国・インド—に売り込む)をやろうとしています。でも1人ではできないので、パートナーを探しているところです。

家内や娘からは、年齢を考えろと言われますが、日本からパナマへ出奔した時から、野垂れ死にする覚悟で、今でもそれは同じです。体は年齢相当にくたびれていますが、気持ちだけは昔のままです。

注釈:

1.ジョン万次郎が遭難してから帰国するまでの十年の顛末を、万次郎から聴取した河田小龍が、詳細な絵図とともに記録した史料。

2. 福田恵子「中米とカリブ海を舞台にした貿易商人 ~尾崎賢助さん~」(ディスカバーニッケイ、2015年10月27日、28日)2回にわたり紹介。

 

※「The Destiny of a Castaway JOHN MANJIRO(漂流者、ジョン万次郎の運命)」:190ページ。歴史的な史料として、写真やイラスト、地図がふんだんに使われている。問い合せは制作協力者である梅原宗一郎さん(ume.12117@gmail.com)まで。

 

© 2022 Ryusuke Kawai

Sobre esta série

日系ってなんだろう。日系にかかわる人物、歴史、書物、映画、音楽など「日系」をめぐるさまざまな話題を、「No-No Boy」の翻訳を手がけたノンフィクションライターの川井龍介が自らの日系とのかかわりを中心にとりあげる。