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Os nikkeis da América Latina e os nikkeis latinos

2018年ラテンアメリカの次世代日系人の実相調査についての考察: 第2部 アルゼンチン

Mapa de la Pcia. de Buenos Aires y GBA, con ex-becarios de JICA en una reunión-cena de AACONI, anuncio de Varela Matsuri (setiembre 2019) y encuentro con nikkei en la residencia del entonces Embajador Fukushima (2017).

第1部 メキシコ >>

アルゼンチンへの戦前の日本人移住は、そのほとんどが個人による単独移住で、戦後も実習生など政府間の協定に基づいての移住が主で、かなり限定されたものであった。一方、ボリビアやパラグアイという隣国からの転住者も多く、現在、日系四世なども含めると私は5万人前後ぐらいである思う。十数年前までは3万人前後というのが定説だったが、現在、日本政府は6.5万人いると推計しているが、センサスを実施したわけではない。そして、そのほとんどがブエノスアイレス市とその郊外に居住しているのは間違いないのだが、近年これまであまり把握されていなかった地方都市にも数世帯の日系人がいることがわかり、今はSNSの活用で交流も深まりつつある。

調査参加者

アルゼンチンでは、本調査へ日系人148人が回答した。この調査が実施される前から地方都市、ロサリオ、コロドバ、サンタフェ、コリエンテス、メンドサなどにも日系人が存在していることはわかっていたが、今回の調査では、これらの地方都市からの回答件数はなかった。首都とその郊外のデータ収集に集中し地方へ手が回らず、バランスよく調査されなかったことは、とても残念である1

また、三世以降の20歳から45歳という基準があったにも関わらず、回答者は対象外の二世が50人(34%)も含まれており、その年齢層も40代以上であった。三世が86人(58%)、四世が10人(7%)しかいなかった。次世代の意見を把握するのを目的としているため、もっと真剣に調査対象者を選んで欲しかった。私の出身国でもあるだけに、コミュニティの実態を理解できる絶好のチャンスがあまり活かされなかった感がある。

いずれにしても、首都や郊外には沖縄出身者の子孫が多く、その多くが日本の親族の存在を知っており交流もあると答えていた2。学歴については、大卒が60%、専門学校卒が14%で、中高卒が25%であった。日本への留学経験を見ると、県費留学が15人(10%)、JICA研修が8人(5%)、文科省奨学生が1人であった。

アイデンティティと日系団体への所属意識

80%が日系人としてのアイデンティティーを持っていると回答していた。その背景には、9割の日系人が自分たちの居住地に日系団体があると回答しており、66%が何かしらの日系団体に所属していると答えていた。その多くは、様々な日系関連のイベントや事業に参加したことがあるとしており、参加した主なイベントとして、大きなバザーや日本祭り、盆踊りといったイベントをあげていた。これらのイベントは、一般の日系人だけでなく、飲食関連の日系実業家が一緒になって運営するケースが多いが、当日イベントへ訪れるのは非日系人が多い。これは裏を返せば、日系コミュニティの地元社会での広報力と信頼が厚いという意味でもある3


職歴

職歴に関しては2割が大学を含む教員職に就いているが、その他は官民を問わずかなり多様な職に就いており、副業している人も多い。南米ではよくあることだが、いくつもの仕事を抱えており、経済情勢によってはその副業が本業になったりする。

回答者の15%(16人)が日本で働いたことがあると答えており、そのうちの13人が出稼ぎ労働者として工場で働いたとしている4。こうした日系人は、日本の労働市場はかなり過酷で男尊女卑的職場も多いせいか、世代間コミュニケーションやラテン的な人付き合いはあまりないと回答している人が多かった。一方、本調査が実施された2018年の下半期は、アルゼンチン経済がかなり悪化しはじめた時期だったせいか、調査対象者の約半分が日本での就労に関心を示していた5


日本へのイメージ

日本に対するイメージは、86%がとても高いと回答しており、とても低いと答えたのは、3人のみだった。「日本の好ましくないこと」の設問では、多少閉鎖的である、人間関係に冷たい、外国人に対して時々差別的な態度をとる、日系人のことをあまり知らない、感情を表さない(表現が貧しい)等といった回答が見られた。一方、日本の好きなことに関する設問では、上から順に和食、清潔と秩序、組織力と規律、チームワーク、時間厳守、伝統文化、治安と安全、公共交通機関という回答があげられた。

また、日本を知るきっかけについては、44%が家族・親戚・友人から、36%がネット・SNS、30%が日本訪問(旅行、留学・研修、就労)と答えていた。全体の62%が日本に行ったことがあると回答しており、その約半分が1〜2回、13%が3〜5回行ったことがあると答えており、就労目的以外の日本滞在の期間は1〜3ヶ月が多い。


日本語教育

日系人がかなり集住している地区では、以前から日系団体だけでなく日本語学校もあるので、高いレベルでなくても日本語でのコミュニケーションを取れる日系人はかなりいると思われる。実際、本調査では日本語能力試験を受けたことのある日系人は45人(約20%)で、10人がN1、8人がN2、12人がN3をもっていることが判明した。

日本との交流

アルゼンチンには、名目上連合的な日系団体は存在するが、その役割を十分に果たせていない。日系団体に対する要望を反映したコメントをいくつかここに紹介する。

  • 地方でももっと様々なイベントを開催したい。
  • 日本文化や日系アイデンティティーに関する事業を企画し、交流を深めて世代間ギャップを修復し、次世代に繋げたい。
  • もっとJICAボランティア(日系社会協力隊)から日本について学びたいし、一緒に事業を行ってそれを多くの日系人と共有したい。
  • 排他的な関係にならないように団体間の連携を強化してほしい。
  • もっと有効な広報活動をして事業をもっと上手くアレンジして運営して欲しい。

日本政府は、日系人若者の日本での研修(JICA等)や留学の機会を増やすことで、日本の若者と日系人らの交流が深まることを強く望んでいる。同様に、アルゼンチンの若者らも日本の若者と交流する機会を求めている。ネットやSNSで日本情報はあふれているにもかかわらず、日本の大学生が中南米に関心を持ち留学することは非常に少なく、日系人が同世代の日本人と交流する機会はそう多くないのだが、一昔よりは小さな可能性を新たなチャンスに変えること十分可能である。また、日本国籍取得の要件緩和や政治的な課題である沖縄の米軍基地撤収、という指摘も数件あった。


まとめ

今回の実相調査の概要や整理されたデータは外務省中南米局のウェブサイトに掲載されており、一部の設問に関してはスペイン語訳もある6。 

これらの結果を見る限り、前回報告したメキシコとアルゼンチンの日系社会では、以前とは比較にならないほど多くの日本関連イベントが企画・実施されており、日本との交流も増えている。しかし、日本社会や日本文化に対する知識はまだ十分とは言えず、ネット上で入手できる情報をきちんと現地にフィードバックできるだけのスキルを持った人はまだ少ない。一方、次回紹介するキューバの日系社会は、政治や経済体制が全く異なっているため、コミュニティの様相も全く異なっている。

近年、JICAは日本文化や習慣(和食、踊り、和太鼓、和裁、日本の5S7と起業)について1ヶ月から3ヶ月にわたり研修を受ける機会を日系人に与えており、日系人のレベルアップに貢献している。これらの研修に参加した研修生は帰国後、日本での経験や知識をいかしながら、日系人同士の連携を強化するため、所属の日系団体やグループに対して活発に意見を述べることで、コミュニティの発展に貢献できるに違いない。

日本との連携や協力関係の強化のためには、一人でも多くの日系人が日本通になり、同じく日本人にも中南米の日系人についてもっと知ってもらう必要がある。両者の好奇心や関心がマッチングすることで様々な可能性が広がるに違いない。

第3部:キューバ >>

注釈:

1. 148人のうち、54人が首都、39人がラ・プラタ市、バレラ市、ブルサコ市で、18人がメルロと西部(モロン市)、5人が北部のエスコバール市という郊外であり、20人がパラグアイ隣接のミシオネス州、12人が北部のチャコ州とトゥクマン州であった。その他の地方都市は一件もない。

2. ブエノス州のエスコバールや北東部のミシオネス州を除けば、すべての都市で父方または母方の曾祖父母の出身県が沖縄が一位であるが、その他は、広島、鹿児島、熊本、北海道、東北などが多い。県人会は存在するが、すべてが活発な活動をしているわけではないようである。

3. ラ・プラタの盆踊りは毎年1月(現地の真夏)に開催されており、約2万人の集客力を誇る。その他の「日本祭り」も以前とは比較にならないほど多くの人が訪れイベント企画もかなりプロ化しているが、今後はもっとそうした側面をレベルアップする必要がある。飲食関係の日系実業家も、日系団体のイベントだけではなく地元社会の他の行事にも出店して実績を重ねている。

4. 日本で就労したことがあると答えた日系人は、9人が1年から3年、8人が4年から6年、5人が7年以上であり、22人であるが、13人が工場労働でありその他3人はホワイトカラー的である。

5. 2019年中いくつかの日系グループが日本での就労募集を広告していたが、何人がそうした求人で来日したかは定かではない。

6. 外務省中南米局サイト「平成30年度中南米日系社会実相調査(結果報告)

7. 5Sとは、整理、整頓、清掃、清潔、躾に基づいた業務管理のこと。

 

© 2020 Alberto Matsumoto

argentina MOFA nikkei community

Sobre esta série

O professor Alberto Matsumoto discute as distintas facetas dos nikkeis no Japão, desde a política migratória com respeito ao ingresso no mercado de trabalho até sua assimilação ao idioma e aos costumes japoneses através da educação primária e superior. Ele analiza a experiência interna do nikkei latino com relação ao seu país de origem, sua identidade e sua convivência cultural nos âmbitos pessoal e social no contexto altamente mutável da globalização.