宮古島からの手紙 ―メキシコのベラクルスで日系人であること

私はジュンコ・オガタです。約一年前までは「ニッケイ」という言葉が存在することさえ知りませんでした。移民としてやってきた祖母の父親については、幼い頃祖母が話をしてくれました。曽祖父の名前はジンペイ・オガタ(後にカトリック教の洗礼を受けたのでマリアーノという名前をもつ)。石炭鉱山で働くためにメキシコにやってきました。しかし、その仕事はあまりにも過酷で非人間的であったため、別の仕事を求めてそこを逃げ出したそうです。
数年後、ベラクルスのサントゥアリオ・デル・クリストネーグロとして知られているオタティトランという街に辿り着きました。そこで身寄りないルペ・アギラールという女性と知り合い結婚、7人の子供をもうけました。しかし、子供…