ディスカバー・ニッケイ

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南米の日系人、日本のラティーノ日系人


2007年12月14日 - 2022年2月14日

日本在住日系アルゼンチン人のアルベルト松本氏によるコラム。日本に住む日系人の教育問題、労働状況、習慣、日本語問題。アイテンディティなど、様々な議題について分析、議論。



このシリーズのストーリー

2021年パラグアイCOPANI ~ 私の願い-その1

2020年4月14日 • アルベルト・松本

第1回目のCOPANI(Convención Panamericana Nikkei パンアメリカン日系人大会)は1981年にメキシコシティーで開催され、昨年9月にはサンフランシスコで第20回大会が行われた。ここまでCOPANIが続けられた背景には、創設者の一人でメキシコの日系二世、実業家のカルロス春日氏の貢献は無視できないだろう1。北米でCOPANIが開催されたのは、1989年のロサンゼルス大会、2001年のニューヨーク大会、2005年のバンクーバー大会に引…

二世代目以降の「県人会」と今後の架け橋としての役割

2020年4月3日 • アルベルト・松本

近年、南米の日本人移住者と出身県との交流ツールだった「県人会」の形態や役割が変わってきた。戦前は、同郷の人が集まり限られた情報を交換する場であり、残された家族との連絡を橋渡しする機関であった。戦後になると各県からの助成を得て運営する県人会も増え、特に日本が経済大国になった70年代から90年代ぐらいにかけては、各県の助成金をもとに日系二世や三世の短期研修や農業後継者育成や中期留学を援助したり、高齢移住者の里帰り支援や県の若者南米派遣交流事業を展開する県人会もでてきた。移住先で…

「コラボラドーレス会議2018」とブラジル地方の日系社会訪問

2020年3月16日 • アルベルト・松本

2018年8月末、厚生労働省の招へいでブラジルのサンパウロで開催された「コラボラドーレス会議:現代の日本〜在日ブラジル人の日本社会への統合」という国際シンポジウムに出席する機会を得た。私はこの会議に参加するのを機に、地方の日系コミュニティも訪問した。 「コラボラドーレス会議」は、日本政府が1990年代に設置したブラジル人日系就労者をサポートするために設立されたCIATE1(国外就労者情報援護センター)が毎年企画している会合である。ブラジル人やペルー人が就労目的で来日し始め…

平成時代の日本と定着した南米日系就労者たち

2020年2月24日 • アルベルト・松本

2019年、この日本では「平成」が終わり「令和」という元号になった。31年にわたる平成時代は、南米から渡日した日系就労者の歴史とほぼ重る。1980年代後半のバブル期は、製造業界における深刻な人手不足問題を解決するため、政府は入管法を改正し南米からの日系二世や三世及びその配偶者が日本で制限なく働けるようにした。当時、多くの中南米諸国では経済が低迷し、失業率も貧困率もかなり高く、80年代のペルーではゲリラによるテロ活動が起きていた。私の出身国アルゼンチンでは年間5千パーセントと…

ハワイの「GANNENMONO」と「日系レガシー」

2020年2月7日 • アルベルト・松本

2018年6月、日本人の海外移住史にとって大きな行事がハワイのホノルルで開催された。それは、ハワイ日本人移民150周年を祝う「Gannenmono」式典であり、日本から秋篠宮同妃殿下がご臨席され、政府からは元自衛隊幹部の佐藤正久外務副大臣、JICAの北岡伸一理事長等が出席された。ハワイの代表者として、イゲ州知事、アリヨシ元州知事、アメミヤホノルル市長代理、アイリン・ヒラノ・イノウエ日米カウンシル会長(故ダン・イノウエ上院議員の妻)、マツダ元ハワイ大学総長などが参加された。私…

日系次世代リーダーズフォーラムの意義と効果

2019年9月18日 • アルベルト・松本

数年前から日本の外務省は中南米の次世代日系指導者を招へいしている。私は、外務省中南米局の依頼によって、6年前からこの事業に関わっている。タイトな日程の中、招へいされた日系人らは、各関係機関やときには内閣総理大臣とも面会する機会を得る。これは、将来日系コミュニティを率いるリーダとして日本との架け橋になってほしいと、日本政府が期待しているからである。私は、海外日系人とののネットワークをもっと強化し形にしたいという日本政府の思惑を常に感じてきた。 2018年6月、外務省は15人…

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このシリーズの執筆者

アルゼンチン日系二世。1990年、国費留学生として来日。横浜国大で法律の修士号取得。97年に渉外法務翻訳を専門にする会社を設立。横浜や東京地裁・家裁の元法廷通訳員、NHKの放送通訳でもある。JICA日系研修員のオリエンテーション講師(日本人の移民史、日本の教育制度を担当)。静岡県立大学でスペイン語講師、獨協大学法学部で「ラ米経済社会と法」の講師。外国人相談員の多文化共生講座等の講師。「所得税」と「在留資格と帰化」に対する本をスペイン語で出版。日本語では「アルゼンチンを知るための54章」(明石書店)、「30日で話せるスペイン語会話」(ナツメ社)等を出版。2017年10月JICA理事長による「国際協力感謝賞」を受賞。2018年は、外務省中南米局のラ米日系社会実相調査の分析報告書作成を担当した。http://www.ideamatsu.com 


(2020年4月 更新)