ディスカバー・ニッケイ

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第2回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト


2015年6月29日 - 2015年10月12日

リトル東京歴史協会は、今回が第2回目となる年に1度のショートストーリー・コンテスト(フィクション)を開催し、2015年4月22日、リトル東京のレセプション会場で最優秀賞と最終選考作品を発表しました。昨年度は英語作品のみを対象としましたが、今年は新たに日本語部門と青少年部門を設け、各部門の受賞者に賞金を授与しました。唯一の応募条件は(英語は2,500単語、日本語は5,000字以内という条件の他)、クリエイティブな手法で物語の中にリトル東京を登場させることでした。

最優秀賞受賞作品:

  • 日本語部門: 「Mitate Club」 佐藤 美友紀(北海道室蘭市)
  • 英語部門:  “Fish Market in Little Tokyo” ナサニエル・J・キャンプベル(アイオワ州フェアフィールド)[英語のみ]
  • 青少年部門: “Kazuo Alone” リンダ・トッホ(カリフォルニア州コロナ)[英語のみ]

最終選考作品: 

日本語部門

英語部門(英語のみ)

青少年部門(英語のみ)

  • Midori's Magic” サレナ・クーン(カリフォルニア州ロス・アラミトス) 


* その他のイマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテストもご覧ください:

第1回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト (英語のみ)>>
第3回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第4回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第5回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第6回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第7回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第8回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第9回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第10回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>


フィクション リトル東京

このシリーズのストーリー

リトル東京の魚市場

2015年10月12日 • ナタサニエル・J・キャンプベル

海のホワイトノイズが岸を越えて雲ひとつない空まで響き渡った。波が次から次へと押し寄せる。波がゆっくりと浜辺に打ち寄せた。波が次から次へと押し寄せる。泡は砂と出会い、砂は泡と出会いました。風-ユキオは目覚まし時計の音で目を覚ました。単調なデジタルビープ音が3回鳴った後、彼はアラームを止めてベッドの脇に移動した。半分布団をかぶったまま、彼はベッドサイドのランプに手を伸ばし、少しの間を過ごした。薄暗い光の中で、彼は目をこすった。時計は「午前2時」を指していた。彼は手早くシャワーを…

MITATE CLUB

2015年10月5日 • 佐藤 美友紀

1 ネットオークションの最後15分で値が吊り上がって、目当ての小引き出しは、78,000円になった。5000円までと決めていたのに、競り合いになってヒートアップしてしまった。 送られてきた品物は、思ったよりしっかりしていた。上段の引き出しは二つに仕切られ、中段、下段は仕切りがない。上段を開けてペンやハサミを入れた後、私は下段を開けた。下段は、少し引き出しが斜めになっていて、何か引っかかっているみたいだったので、気になったのだ。 案の定、引き出しが出てこない。ぐっと手前…

カズオ・アローン

2015年9月28日 • リンダ・トッホ

カズオは月曜日を誰よりも愛していた。それは月曜日が静かだったからだ。月曜日は甘美で、ロサンゼルスの街に半ば平和が広がっていた。典型的な街歩きをする人たちは学校へ、典型的な観光客は9時から5時までの仕事をしている。だからカズオは月曜日を選ん​​で、何の邪魔もされずに近所を歩き回り、地図を作り、征服した。月曜日が便利だったのは、85年が過ぎ、仲間も一緒になったときだけだった。慰めを求める人にとってはいいタイミングだった。老人はまさにこの基準に当てはまっていた。もちろん、人々は彼…

ホテルの男

2015年9月21日 • 若林 道枝

その地区一帯は歴史保護地域に指定されていて、古い建物を勝手に倒したり、大きく改築したりできないことになっている。ホテルに続き小さな商店やレストランが並び、その終わりの壁には、歴史建造物指定のエッチングの表示があった。 一街の通りは、三階建て四階建てのビルディングが隙間なくびっしりと並んでいる。建物と建物の間は隙間がほとんどない。一階には食堂や土産物屋、雑貨店、宝石店が並んでいて、二階以上をホテルや下宿屋がしめている。全てが100年以上の建物だ。 やす子が何度も泊まるホテ…

マサオと青銅のナイチンゲール

2015年9月14日 • ルーベン・ゲバラ

ボイルハイツ、1940年「ねえマサオ、その素敵なカーテンはどこで手に入れたの?」 「ブルックリンとソトの向こうです。マニー・ガルシアの叔父さんが仕立て屋を経営しています。」 「オーレ・プエス、すごくかっこいいよ、すごいね!」 「ありがとう、リル・ジョー。またね、また後でね、カーナル!」そうだ、マサオ・イモトは確かに洒落た服装の仕方を知っていた。彼は日系アメリカ人二世のズート・スーター、パチューク(パチューコの日本語スラング)だった。上の世代は彼らをヨゴレ(酒を飲んだりギャン…

マンザナーの女王

2015年9月7日 • ハンス・ウェイドマン

リトルトーキョーの博物館には、部屋の仕切りで区切られた小さなスペースがあり、その人工的な壁のそれぞれにモノクロ写真が貼ってあります。ケンがこの部屋に出会ったのは偶然でした。最初、彼は古い青いセダンと蒸気機関車の写真に誘われました。壁に沿ってさらに進むと、コートと帽子をかぶり、大きなスーツケースを背負った群衆の写真が目に入りました。次の壁では、景色が一変しました。前景には平坦な砂漠が広がり、遠くに山々がそびえ立っていました。子供たちは足で土埃を巻き上げながらボール遊びをしてい…

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このシリーズの執筆者

ナサニエル・J・キャンベルはアイオワ州フェアフィールドに住み、執筆活動を行っていますが、リトル・トーキョーでもっと多くの時間を過ごせるよう夢見ています。彼の作品は、リンカーン・メモリアル大学のドラフトホース・リテラリー・ジャーナルやニュースクール大学のイレブン・アンド・ア・ハーフ・ジャーナルなど、印刷物やオンラインで 10 回以上出版されています。彼は小さな大学出版局で働いており、余暇には読書や執筆を楽しんでいます。

2015年10月更新


ドン・フェントンはテキサス大学エルパソ校でクリエイティブライティングの学士号を取得し、テキサス大学ダラス校で美学を専門とする人文科学の修士号を取得しました。現在は、多文化の影響とアメリカ文化におけるその交差を反映する短編小説集を執筆中です。これは、日系メキシコ系アメリカ人としての自身のグローバルな生い立ちを反映しています。ドンは現在、
テキサス州ダラス。教えていない時は執筆活動をしています。

2014年8月更新


ルーベン・「フンカワトル」・ゲバラはロサンゼルス生まれで、過去 50 年間にわたり、ミュージシャン、レコード プロデューサー、ジャーナリスト、詩人、映画俳優、劇作家、パフォーマンス シアター アーティスト、教師、活動家として活動してきました。UCLA で世界芸術文化専攻し、現在はボイル ハイツに住み、働いています。www.tantrikfunk.net

2014年10月更新


15年間の東京での社会人生活ののち、夢だったアメリカでの大学院留学を果たしました。Little Tokyoへは、日本の食材を求めてショッピングに行ったのがきっかけですが、ジャパニーズアメリカンの歴史を知るにつれ、そのドラマに興味を持つようになりました。以降、全米日系人博物館を訪ねたり、資料を読んだりなど、折に触れて学ぶようにしています。専門が心理学なので、これからも様々な人生の形を知り、人の心を理解していけたらと思います。

(2015年8月 更新)


サレナ・クーンはロサンゼルス・アラミトス高校に通っています。勉強、執筆、冒険を楽しんでいます。日系アメリカ人の母と白人の父を持つ彼女は、「ハーフ」であることに誇りを持っており、文化を保存し共有することの重要性を重んじています。文学と他者と協力することに強い情熱を持っています。

2016年9月更新


ケントは日系アメリカ人二世の弁護士であり、パートタイムのライターです。自由時間には、常に摂氏 22 度の気温、砂浜、ドジャースの野球観戦など、南カリフォルニアのあらゆるものを楽しんでいます。カリフォルニア州グレンデールにガールフレンドと 2 匹の早熟な猫とともに住んでいます。

2015年8月更新


ジャン・モリルはカリフォルニアで生まれ、(主に)育ちました。母は日系仏教徒で、第二次世界大戦中はトゥーリー湖とトパーズで抑留されていました。父はアイルランド系南部バプテスト派の赤毛で、空軍を退役しました。ジャンの受賞歴のある歴史小説『 The Red Kimono 』やその他の短編小説や回想エッセイは、多文化、多宗教、多政治的な背景で育ったことを反映しています。

ジャンは『The Red Kimono』の続編を執筆中、日系アメリカ人強制収容の歴史に関する執筆と講演のワークショップを開催しています。詳細については、ジャンのウェブサイトwww.janmorrill.comをご覧ください。

2015年6月更新


キヨシ・パーカーはカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれ育ちました。アメリカと日本の2つの国にルーツを持ち、可能な限り両国を行き来しています。10代後半に独学で日本語を学びました。中編小説「The Death of Death 」は、現在Amazonで購入可能で、作家として一定の評価を受けています。もう1つの長編小説「 Autonomously Yours 」もAmazonで購入可能で、現在はさらにいくつかの短編小説ともう1つの長編ファンタジー小説を執筆中です。グラフィックデザイン、テレビ、映画が好きです。

2015年6月更新


チェスター・サカモトは、自称愛書家で熱心な読書家です。ロサンゼルス出身の 26 歳で、現在はアメリカ文学を専攻して英語の修士号を取得中です。歌うこと、食べること、映画鑑賞、そして独立系書店への頻繁な通いが好きです。

2015年7月更新


埼玉県出身。2002年国学院大学卒。経理や総務業務を仕事にしており、執筆はプライベートな時間に行 っている。現在は小説の他、落語台本も書いており、いつか陽の目を見る日を夢見ている。

(2016年1月 更新)


ジェローム・スチュアートはオハイオ州を拠点とするフィクション作家で、作品はGeistFantasyLightspeedJoyland 、その他の雑誌やアンソロジーに掲載されています。彼は、信仰をテーマとするスペキュレイティブフィクションアンソロジーWrestling With GodsImaginarium 4: the Best Canadian Speculative Writingの共同編集者です。彼の最初の小説One Nation Under Godsは、「神の助け」によって米国の歴史を再考したもので、2016年11月に出版予定です。彼は執筆、絵画、スケッチをしており、オハイオ州バンダリアでクマと一緒に暮らしています。jeromestueart.com で彼を見つけてください。

2015年8月更新


私は現在テメスカル キャニオン高校の 4 年生で、この秋からアメリカ創価大学に入学する予定です。将来は言語聴覚療法士の道を志す一方で、勉強と並行して執筆活動も続けたいと思っています。私はカンボジア系アメリカ人であることをとても誇りに思っています。父は 1970 年代にクメール ルージュから逃れるためにカリフォルニアにやって来ました。母は 1990 年代にカリフォルニアにやって来ました。両親は、まだ知らなかった言語と文化を学ぶ意欲だけを持ってアメリカにやって来ました。幼いころにこの献身的な姿を見て、私は読書と執筆が大好きになりました。

2015年9月更新


1936年生まれ。3児の母。カリフォルニア州サンホキン郡の経理部で30年間働く。2002年に詩誌「短調」を設立。現在103号まで発刊。雑誌「平成」日刊サン「ポエムタウン」「日本未来派」などに作品を発表。詩集に「天の川」「パッチワークの声」。「短調100号記念選集」を編纂。

(2015年9月 更新)


ハンス・ワイドマンはカリフォルニア州ロサンゼルスの金融アナリストです。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で英文学の学士号を取得しています。

2015年9月更新