ディスカバー・ニッケイ

https://www.discovernikkei.org/ja/journal/series/farewell-to-manzanar-dvd/

マンザナールよさらば: 次世代に語り継がれる映画のDVD化


2011年10月7日 - 2012年1月16日

1976年、ジーン・ワカツキ・ヒューストン原作によるテレビ映画「マンザナールよさらば」がアメリカのNBCで放映されました。テレビ放映後、ほとんど人の目に触れることのなくなったこの映画は、全米日系人博物館により、この度DVD化されることになりました。

3回に渡ってお届けするこのコラムシリーズでは、映画が製作された1976年、そして35年後の現代におけるコンテクストでその重要性を分析し、全米日系人博物館がどのような経緯で、そしてなぜDVD化に乗り出したかを探ります。

第1部では、原作者であるジーン・ワカツキ・ヒューストンさんや博物館スタッフのコメントを通し、DVD化に至るまでの努力の道程を紹介します。第2部は、ジョン・コーティ監督へのインタビューです。なぜ彼がこのプロジェクトに携わることにしたのか、なぜキャストやスタッフの大半に日系人を起用したのか、そして映画が後世に残すことについて、監督の考えを伺いました。第3部では、映画が役者へ与えた影響に注目します。


DVD マンザナールよさらば(映画)(書籍) 映画 (films) ジャンヌ・ワカツキ・ヒューストン マンザナー強制収容所 第二次世界大戦

このシリーズのストーリー

役者の視点

2012年1月16日 • エスター・ニューマン

「マンザナールよさらば」は、ジーン・ワカツキ・ヒューストンさんと夫のジェームズD・ヒューストンさん共著による回想記を映画化した作品です。物語は、第二次世界大戦中、12万人の日系人が被った不当な扱いを、当時7歳だったジーンの視点からワカツキ家を中心に描いています。キャストとスタッフのほとんどに日系アメリカ人を迎え、アカデミー賞及びエミー賞受賞歴のあるジョン・コーティさんが監督しました。 1976年、「マンザナールよさらば」はNBCで放映され、映画は視聴者に強い衝撃を与えただ…

「マンザナールよさらば」 ジョン・コーティ監督へのインタビュー

2011年10月19日 • エスター・ニューマン

         「常に世の中を変えたいという意志があったんです。」 1度のアカデミー賞と2度のエミー賞を始め、数々の映画賞に輝くジョン・コーティ監督は、映画界で素晴らしい成功を手にしてきました。しかしながら、彼の監督としての真髄は、「ハリウッド的成功」を超えたところにあります。「マンザナールよさらば」を手がけたコーティ監督は、初期の頃から社会正義をテーマとする作品に取り組み、反戦運動、人種差別、市民権運動、障害のある子供…

タイムレス & タイムリー

2011年10月7日 • エスター・ニューマン

今から70年ほど前、日系アメリカ人を乗せた最初のバスがマンザナールに到着しました。彼らはカリフォルニア沿岸部の家を追われ、第二次大戦が終わるまで鉄格子の中に収容されました。収容所を取り囲む見張り塔には武装兵たちの監視の姿がありました。12万人のアメリカ市民及び在住者は、「日系」であることを理由に強制的に収容され、その悲劇のひとこまは、米国史に影を落としています。この出来事は、多くの人に未だ知られていない事実であり、多くにとっては知りたくない事実であり、しかしながら、どの時代…

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このシリーズの執筆者

エスター・ニューマンは、カリフォルニア育ち。大学卒業後、オハイオ州クリーブランドメトロパークス動物園でマーケティングとメディア製作のキャリアを経て、復学し20世紀アメリカ史の研究を始める。大学院在学中に自身の家族史に関心を持つようになり、日系人の強制収容や移住、同化を含む日系ディアスポラに影響を及ぼしたテーマを研究するに至った。すでに退職しているが、こうした題材で執筆し、関連団体を支援することに関心を持ち続けている。

(2021年11月 更新)