第7回 バジルと聖十字聖公会
前述したように、バジルの両親はともに聖公会聖十字教会の熱心な信者で、彼も子供の頃、収容所に移動させられる前は聖公会の日曜学校や幼稚園に通っていた。日本からカナダに戻ってきてからも、おばや祖母とバーノンにある聖公会に通い、1954年にノース・バンクーバー1に引っ越したときは、最寄りの聖公会セント・ジョン・エヴァンジェリストに通った。
戦後、西海岸地域に戻ったころ、日系カナダ人聖公会信者は教会で祈ること許されなかった。しかし、バジルは差別を感じたことはなく、教会青年部のさまざまな活動に参加した良い思い出が残っている。なかでも、日本人聖公会が酪農場を設立するにあたり若い雌牛の購入資金を集めるために行った…