その3を読む>>
家を守ってくれた隣人:メアリー・マッカンバー
フロリン在住の日系3世レスター・オオウチダさんも戦時中、非日系米国人に助けられた一人だ。
オオウチダさん一家も戦時中、強制収容所に送られた。しかし、隣人が留守宅を管理してくれたおかげで、収容所から戻ってきても家はそのままの状態で残され、元の生活に戻ることができた。
「私たちは良い隣人に恵まれ、家を失わずに済みました。メアリー・マッカンバーが守ってくれたのです」
強制収容所に送られる前からオオウチダさん一家と隣人のマック、メアリー・マッカンバー夫妻はとても仲の良い友人だった。特に妻のメアリーさんは毎晩オオウチダさんの家に遊びにきては一緒に団らんを楽しんでいたという。
「夕食の後、メアリーはいつも私たちの家に遊びにきて、夕飯の残ったお米に砂糖とクリームを加えたデザートを作って食べていました」
毎晩オオウチダさん一家の家に遊びにきていた社交的なメアリーさんとは対象的に夫のマックさんはとても良い人だが物静かで、隣人宅に遊びに来ることはなかった。
しかし、一度だけ訪ねて来たことがあった。それは一家が強制収容所へ送られる前の晩のことだった。マックさんはオオウチダさんの家に来てこう告げた。
「何か必要な物があったらいつでも手紙で知らせて下さい」
「とても静かでほとんど話さない男性でしたが、わたしたち一家のことを…