2019年3月20日午後4時、私はJR彦根駅前のホテルコンフォートの前のベンチに座り、横浜から来るバスを待っていた。定刻通リに2台のバスが到着し、少年野球チーム「バンクーバー新朝日」チームの元気な若者とその両親たちがにこやかな笑顔と共に元気そうに降りて来た。ジョン・ウォン(John Wong)さん、トミオ・フクムラ(Tomio Fukumura)さん他遠征チームの役員の皆様と挨拶&握手で出迎えた。
「Welcome to Hikone! お疲れ様です」
これより新朝日一行55名は、約一週間彦根に滞在し、滋賀県のチームと親善試合や観光親善活動を行うのである。
1914年のバンクーバー朝日の結成以来100年を迎えた2014年に新朝日チームは結成された。翌年2015年には早くも日本遠征を成し、以後2年ごとに遠征を行い、今回は3度目の来日であった。
今回の遠征の主要な目的は、バンクーバー朝日の発祥のルーツである滋賀県彦根を訪れてその歴史を学ぶ事と、彦根の野球チームと親善試合を行う事であった。
1896年琵琶湖周辺の大水害を契機に、彦根から多くの人が新天地カナダに向かって渡航した。その多くは製材所に勤務し、バンクーバーのパウエル街付近に住んだ。幼くして父親に連れられた子供たちやカナダで生まれた2世達は、成長し学校に行くようになると、この頃米国から伝わって来た野球に熱中し、卒業し…