近藤 有里子
(こんどう・ゆりこ)
15年間の東京での社会人生活ののち、夢だったアメリカでの大学院留学を果たしました。Little Tokyoへは、日本の食材を求めてショッピングに行ったのがきっかけですが、ジャパニーズアメリカンの歴史を知るにつれ、そのドラマに興味を持つようになりました。以降、全米日系人博物館を訪ねたり、資料を読んだりなど、折に触れて学ぶようにしています。専門が心理学なので、これからも様々な人生の形を知り、人の心を理解していけたらと思います。
(2015年8月 更新)
この執筆者によるストーリー
第2回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト
リトルトーキョー太神楽
2015年8月17日 • 近藤 有里子
“Wow! Mom look at that guy juggling so many balls!” 小さい男の子の声が耳をかすめる。まだ練習したての僕のジャグリングに喜んでくれるのはうれしいが、やっぱり少し恥ずかしく、くすぐったいような気持ちだ。そして、またいつものように、リトル東京の街角を人が過ぎゆき、僕は風景の一部になって時間だけが過ぎる。浅黒くなった肘から先がまるで別の生き物のように、目まぐるしく落ちてくるボールを拾いにいく。この時ばかり…