石井 かず枝

(Kazue Ishii)

サンパウロ州、ペレイラ・バレット、ウニオン植民地にて、1940年2月13日、父尾崎忠雄と母清江のもとに生まれた。1966年7月2日石井いさむと結婚、4人の子供を授かり、現在は夫いさむとサンパウロ市にて二人暮らし。 趣味は読書、旅行、文章、俳句も嗜んでいる。

(2021年8月 更新)

community en ja es pt

ニッケイ物語 #10—ニッケイの世代:家族と コミュニティのつながり

お役に立つ喜び ー 日本語勉強会

30余年も前、二世である私と同年代の仲間達に、日系ブラジル人として何かお役に立ちたいという思いが、心の底からムクムクと上がり始めた。 1990年、夫(いさむ)と「来年は結婚25周年だね」と、語り合っていた。その間に、4人の子供達を育て、私は家庭の主婦としての仕事一切、その他に夫の仕事の手伝いもして来た。あわただしい時間を割いて、地域社会とのつながりの奉仕活動、金銭的にも協力し、出来る限り夫と参加して来た。 私が50歳を迎えた時、家族の者に「お母さんは、これから、もっともっと多くの人のためになる仕事を始めるからね」と強く発言した。息子たちは「お母さん何を始めるの?」と不審そうな表情であったが、「心配しなくてもいいのよ。食事やその他、宅の事は今までどおり続けるからね」と言うと、「ああよかった」と安心した様子であった。 私が始めたのは、日本語勉強会の奉仕活動であった。学校でないのは、私自身、学校の門をくぐったわけでなく、私の先生は大好きな辞書だったからだ。解らない事があれば、側に先生がいてくれるので、安心して勉強会を始められた。 この勉強会を始めたきっかけの一つは、Yさんが「この間、幹部の集まりがあって誘われて行ったのよ。会長さんが、『そしき、そしき』と何回も言うのよ。『そしき』は人が死んだ時言うでしょう?私何もわからなかったのよ」と言われたので、私は、「なるほどね。そんなに人…

続きを読む