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デイ 多佳子

(Takako Day)

@takako70

1986年渡米、カリフォルニア州バークレーからサウスダコタ州、そしてイリノイ州と”放浪”を重ね、そのあいだに多種多様な新聞雑誌に記事・エッセイ、著作を発表。50年近く書き続けてきた集大成として、現在、戦前シカゴの日本人コミュニティの掘り起こしに夢中。

(2022年9月 更新)


この執筆者によるストーリー

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高橋武のシカゴ - パート 2

2020年10月2日 • デイ 多佳子

パート 1 を読む >> 3. シカゴでの高橋さんの生活高橋武は渡米前からアナキストであると自称し、同志からは「幸徳の弟子」と称されていた。1 日本の同志の間では、高橋がシカゴで社会革命党の支部設立に尽力していることは知られていた。2高橋は繊細で温厚、豊満で内気でハンサムな男性で、アナキストの暴力的で典型的なイメージとはかけ離れていた。いつも夢を見ているような風貌で、話しかけられると少し頭を下げて微笑み、鼻で答えたと伝えられている。バクーニンやクロポトキンを読み、資本主義の…

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高橋武のシカゴ - パート 1

2020年9月25日 • デイ 多佳子

1. はじめに南北戦争から 1919 年までの期間、イリノイ州シカゴは、抗議活動の数、その範囲、激しさ、全国的な重要性の点で、米国の他のどの都市よりも多くの労働運動の動乱を経験したと考えられます。1シカゴは、特に 1886 年のヘイマーケット事件以降、米国の急進的な労働運動のメッカでした。対照的に、社会主義は主に米国から日本に輸入されました。1894 年の日清戦争とそれに伴う日本社会の急速な工業化は、社会主義政治、経済理論、活発な労働運動の受容を促しました。有名な日本の社会…

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前田弘一郎のシカゴ - パート 3

2020年5月22日 • デイ 多佳子

パート2を読む>> 5. フロイド・デルイリノイ州出身で、シカゴ・イブニング・ポストの週刊付録であるフライデー・リテラリー・レビューの編集者だったフロイド・デルも、マエダコの米国での作家としてのキャリアに大きな役割を果たした。デルは、 1909年3月の創刊当初からフライデー・リテラリー・レビューに関わり、シカゴの文学批評に新たな基準を設定したシカゴ文学復興の主たる扇動者の一人でした。2デルは『プログレッシブ・ウーマン』にも関わっていた。1912年2月から1913年4月まで『…

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前田浩一郎のシカゴ - パート 2

2020年5月15日 • デイ 多佳子

パート 1 を読む >> 3. 自殺の誘惑と再生1909 年 6 月までに、希望を失い、人生の意味もわからなくなったマエダコは、4 回も自殺を試みた。1 10年後、彼は、地獄の壁に 6 ドルずつ与えられ、尻尾を上げて逆さまにぶら下がり、深淵の底を見つめているヤモリのような体験だったと報告している。2彼は拳銃を購入し、自殺を図ろうとしたができなかった。その後、インディアナ州ゲーリーに行き、ボートを借りてミシガン湖に漕ぎ出して溺死しようとしたが、やはりできなかった。他に選択肢が…

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前田浩一郎のシカゴ - パート 1

2020年5月8日 • デイ 多佳子

かつて「アメリカで最も影響力のあるプロレタリア小説」と称されたアプトン・シンクレアの『ジャングル』1 は、プロレタリア作家の前田弘一郎によって日本語に翻訳され、1925 年に日本で初めて出版された。この本に掲載されている 1925 年 10 月 12 日付の手紙で、シンクレアは前田弘一郎に「5 年間、日本で『ジャングル』を翻訳し出版する権利をあなたに与えることができれば、本当にうれしいです」と伝えている。手紙によると、シンクレアは 1921 年に東京の国際通信社の森八十太郎…

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シカゴ醤油物語 ― 永野晋作と日本人起業家たち - パート 3

2020年3月2日 • デイ 多佳子

パート2を読む>> 6.醤油よ永遠に竹田商店がシカゴに進出した 1907 年 8 月、後に島津美咲牧師が会長となった日本人 YMCA が、グローブランド アベニュー 3036 番地に日本人学生のための寮を開設した。1 島津牧師と同様にシカゴ大学で教育を受けたもう一人の牧師、片田江駒太郎牧師は、1906 年にプレーリー 2938 番地の自宅を日本人学生のための宿舎「日本人宣教の家」に改装した。この日本人宣教の家は後にコテージ グローブ 4352 番地の日本人キリスト教協会に発…

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シカゴ醤油物語 ― 永野晋作と日本人起業家たち - パート 2

2020年2月24日 • デイ 多佳子

パート 1 を読む >> 3. シカゴの醤油製造者:永野晋作1907年から1915年までシカゴに住んでいた社会主義作家の前田弘一郎は、小説『大忘却時代』の中で、シカゴにおける日本の醤油製造について次のように描写している。「木村という男を知っていますか。彼はダウンタウンに事務所を構え、食品業を営んでいます。木村は良いニュースがあると言って私に『あなたもこの事業に参加しませんか』と尋ねました。現在、米国では日本の醤油が大量に販売されていますが、彼によれば、大豆を使わなくても醤油…

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シカゴ醤油物語 ― 永野晋作と日本人起業家たち - パート 1

2020年2月17日 • デイ 多佳子

1. はじめに永井荷風は『アメリカ物語』の「一月一日」という短編小説の中で、ニューヨークに移住した日本人が、同胞たちと日本食を食べることを断る場面を描いている。断った理由は、日本食を食べると悲惨な死を遂げた貧しい母を思い出すからだった。日本食を断つことで家族の歴史から距離を置かなければならなかった人の悲しみの深さは想像するだけでも痛ましい。醤油のような「安心の味」すら拒絶するつもりだったのだろうか。醤油には、筆者のような一世にとって、馴染みのない食べ物の味を、食べられる味に…

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戦前のシカゴにおける疑わしい接触点
日本領事館とナカ&パールナカネ - パート2

2019年8月20日 • デイ 多佳子

パート 1 を読む >>ナカとパール・ナカネとシカゴ中根はシカゴに来たことがあるのだろうか?イリノイ州でどれほどの政治的影響力を持っていたのだろうか?シカゴの日本領事館は中西部における中根の「暗躍」に何らかの形で関与していたのだろうか?現時点で言えることは、シカゴの旧日本領事館の捜索で、他の文書とともに「我が方の開発」からの誓約書と称する文書が 2 点見つかったということだけだ。1 1936 年 10 月 1 日、イリノイ州で非営利団体として設立された。住所はイリノイ州スプ…

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戦前のシカゴにおける疑わしい接触点
日本領事館とナカ&パールナカネ - パート 1

2019年8月19日 • デイ 多佳子

導入1941年1月30日、外務大臣松岡洋右からワシントンの日本大使館に宛てた長文の電報が送られ、シカゴを含む米国内の領事館に転送された。電報には、米国内での諜報活動を強化するため、外務省が広報活動の重点を変更する旨の指示が書かれていた。松岡が描いた計画の一つは、「反ユダヤ主義、共産主義、黒人運動、労働運動のすべてについて調査を行う」ことと、「調査の実施に、外国出身の米国市民(日本人以外)、外国人(日本人以外)、共産主義者、黒人、労働組合員、反ユダヤ主義者を活用する」ことだっ…

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