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…… 集合所の暮しがどうなるか明確なことはわかりません、ましてやその後に行く所については。でも、わたしたちは国際家畜展示場を改造したポートランド・キャンプに入所する4,000人のオレゴン日系人のなかの一人になります。(収容所内では)できる仕事も限られているので、多くの人が退屈にただ時間を過ごすことになりそうです。こんなに込み合った環境での親の一番の心配は、子どもたちのことです。どうすれば子どもたちを有害な影響から守れるか、どうすれば子どもたちを創造的で建設的な生活に導けるか……1
これは、仮収容所に入る直前に、アンドリュー・クロダが友達にあてた手紙です。日系人たちにとって、一番気にかかったのは、やはり子どもたちのことでした。コートの襟の折り返しの所と持ち物に、家族の登録番号をつけて、有刺鉄線の張り巡らされている仮収容所の入口をくぐった瞬間に、一人一人の名前は番号に変わり、自由と尊厳とを失いました。
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内陸部の強制収容所2の完成を待つ間、日系人は「集合所」に集められます。カリフォルニア州に13ヶ所、その他オレゴン州ポートランド、ワシントン州ピュアラップ、アリゾナ州メイヤーと併せて16ヶ所所。主に競馬場、家畜展示場、ステート・フェア会場3が間に合わせの住…