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4. 子どもにとっての痛み
収容体験が子どもにあたえた影響は、一人一人異なりますが、年齢、それまでの生活環境、サポートグループの有無、親の精神的安定度等によって大きく違ってくるようです。日系アメリカ人であることだけで、収容所にいれられたわけですから、日系であることを恥じたり、日系であることに罪の意識をもつことになりました。
しかし、幼少期を収容所で過ごした多くの人は「楽しかった」、「一日中野球をしていて楽しかった」と言います。親が子どもを守ってくれていましたし、子どもは、愛してくれる人がいれば、どんな所でも逞しく生きて行ける力をもっているようです。ベーコンも、「僕らのようなティーンエージャーにとって、収容所の生活は楽しかった。周りは日本人ばかりで、友達はたくさん出来たから。収容所に入る前は農場にいたので、家と家ははなれていて、野球をしようにもすぐに仲間が集まれる環境ではなかったけど、ハートマウンテンではすぐに野球もできたし、フットボールも、ハイキングだってすることができた。お金や物はなくても、いろんな遊びができて、すごく楽しかった。……でも、収容所での生活が子どもにとって良かったと言っているのではなく、ただ不当に行われた状況を受け入れ、その状況を最大限に生かしたということです」と。1
その一方、いまだにその時のことを話…