日本人・日系人の団体は若い世代を育てることがひとつの任務である。幼少年期に日本語学習と文化の伝承を行い、成人となって社会構成のシステムを自然な形で教え込むことで、未来の担い手を育てていく。
筆者も日本人会で日本語を学習し、成人を迎え、一時期海外へ出て、そしてサンタクルスに戻り、現在は団体活動に携わっている。現在の若い世代を見て、自分にもそのような時代があったと感嘆する。
21歳を境として、大人の世界へと導く役割を果たしてきたサンタクルス中央日本人会の成人式を振り返ってみたい。
サンタクルス中央日本人会において、記録に残る初めての成人式は1972年に挙行されている。以後、37年に渡る現在まで恒例行事として毎年開催されている。日本では4月に年度を開始するので、成人を迎える者もその通りに決められるが、当地では1月1日から12月31日までの間に21歳を迎える者を成人対象としている。
平均すると毎年10人から15人が成人式を迎えており、男女の割合はほぼ同等である。ただし年によっては成人者が一ケタ台であったり、男女の差が大きかったりする。成人者の出席率は初期のころは100%であったが、年とともに留学、就労などの理由で出席できない成人者がいるものの、近年は8割は出席している。
日本人会の成人式は1月15日の夕方に開催するのが恒例であったが、同日内にオキナワ・サンファン両移住地を巡…