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絆2020:ニッケイの思いやりと連帯―新型コロナウイルスの世界的大流行を受けて

バーチャル文化の日 2020

ワシントン州日本文化会館(JCCCW - Japanese Cultural & Community Center of Washington)は シアトルにあり、「日本と日系アメリカ人の文化や伝統を伝え、広める集いの場を築く」という理念に基づいて様々なプログラムを提供しています。その中には、コミュニティーイベントや西北日系博物館、北米最古の日本語学校であるシアトル日本語学校などが含まれています。

しかし、2020年はコロナ禍のため、そのほとんどをオンライン化しなければなりませんでした。毎年11月に開催していた「文化の日」もその一つで、このイベントは毎年、和太鼓の演奏や日本舞踊などのパフォーマンス、武道や茶道の実演、文化や歴史に関する展示、工作など多彩な内容を、無料のイベントとして当会館で開催し、600~700名の来場者を迎えていました。

そこで、私達スタッフは、7月にやはりオンラインで開催された児童向けの日本文化サマーキャンプを終了すると、早速「文化の日」の企画に取りかかり、「バーチャル文化の日」と銘打って、動画と小冊子で日本と日系アメリカ人の文化についての情報やコミュニティーの人々が楽しめるアクティビティーを提供することにしました。そして、「シアトルの日本町、昔と今」、「漫画 新一世日誌」、「リクエスト紙芝居」、「和太鼓」、「おもちを知ろう!」の5つのテーマを選んで日英両語で新たに動画を制作、公開し、さらに小冊子「冬を日本文化で楽しもう!」をまとめました。

台本から撮影、編集まで、全てスタッフのみで動画制作に取り組み、中には司会や実演のため、出演しなければならない者もいました。そして、スタッフのほとんどにとって動画制作は初めての経験でした。さらに、撮影現場ではソーシャルディスタンシングを心がけ、何よりも出演者と裏方の安全に注意を払わなくてはならないなど難しいこともありました。しかし、スタッフが揃ってもちつきをしたり、おもちを食べたりするなど伝統行事ができるのは楽しく、特別な経験でした。

撮影以外の仕事はそれぞれが在宅でやりましたが、全ての資料をオンラインで共有して作業を進めるのは容易ではなく、スタッフ間のコミュニケーションがスムーズに行かなかったり、動画ごとに何十もある、絵コンテや未編集の動画、写真やナレーションを保存したフォルダーを開けたり閉めたりするのに手間取ったりすることもありました。

アナ・マリコ・シーモアさんが作曲して下さった素晴らしいオリジナルの音楽を加えて、11月の各日曜に1本ずつ公開しました。その後、最初に公開された「シアトルの日本町の昔と今」は1か月半で1400回近く再生され、その他の作品も12月半ばまでに約400~700回再生されています。

来場者や演者の皆様とのふれあいがないという点は残念でしたが、オンライン化にはいくつか大きな利点がありました。まず、動画は当館のユーチューブチャンネルで世界中のどこからでも好きな時に見ていただくことができ、小冊子も無料でダウンロードしていただけます。日英両語ですから、日本の皆様にも見ていただき、日系アメリカ人の文化や歴史について知識を深めていただくこともできます。

また、従来の「文化の日」は一日だけのイベントでしたが、動画は永久的に見ることができるので、視聴者が教育の場などで二次的に利用することが可能です。

さらに、今回は食べ物にテーマを広げることできました。これまでの公開イベントでは、衛生面での懸念から食べ物を扱うことが難しく、日本文化の中で大きな意味を持つ「食」に焦点を当てることがなかなかできませんでしたが、今回、お正月を前に伝統的なもちつきとお雑煮作りを紹介することができました。

各動画の見どころは以下の通りです。

「シアトル日本町の昔と今」より1939年開催の釣ったサケの大きさコンテスト

  • 漫画 新一世日誌」—マンガ家であり、当会館のスタッフでもある中村有理沙と、当地の日系新聞「北米報知」に連載中の作品「新一世日誌」の紹介。漫画の描き方のコツなども含みます。

漫画家、中村有理沙

  • リクエスト紙芝居」—皆さんから寄せられた物語のリクエストの中から神話の「天の岩屋伝説」と「日本の誕生」を、オリジナルの絵を制作して演じました。

紙芝居

  • 和太鼓」—当地で和太鼓の指導をされている太鼓の学校さんの全面的なご協力を得て、活気ある太鼓の演奏と視聴者が見ながらできる太鼓のレッスン、太鼓の文化的背景や種類の紹介をまとめました。

和太鼓の演奏

  • おもちを知ろう!」—昔ながらのもちつきの様子と、日本文化の中のおもちの意味、地方色豊かな色々なお雑煮などを紹介しています。

「おもちを知ろう!」より広島風お雑煮

それから、小冊子の「冬を日本文化で楽しもう!」は、日英両語でお正月や節分など日本の冬の祭日や習慣、家族で楽しめるゲームや折り紙、動画の中で紹介されたお雑煮の作り方などをまとめています。おすしをテーマにしたすごろくや漫画福笑いなど当会館オリジナルのゲームも付いており、どなたでも無料でダウンロードできます。

今回、コロナ禍による多くの制限のある中で、スタッフ及び出演して下さったコミュニティーの皆様は、これまでやったことのない役割を与えられたにもかかわらず、様々な面で創意工夫をしてイベントを成功に導いたと思います。このような異常事態の最中で各方面からの協力を得られたことはとてもありがたいことでした。

また、州の自宅待機命令に始まり、外出などへの制限が何か月も続く中で、イベントを通してコミュニティーと当会館のつながりを保つことができ、さらに肯定的な感想が寄せられいることを、うれしく思います。例えば、日本町の動画には「シアトルの日本人コミュニティーがその始まりから今日まで力強く豊かな伝統を持っていることがわかって、とてもよかった」とか「この動画の後半が私の人生と重なるので、たくさんの思い出がよみがえった」というような感想が寄せられています。

また、当会館では毎年5月初旬に「こどもの日」というイベントを開催しています。これはパフォーマンスや実演、工作、ゲームなど、子供向けの楽しい企画を集めたもので、例年1000名ぐらいの来場者を迎えていました。おそらく2021年はこれもオンライン化することになると思われますが、また新たに創造的な解決策でイベントをお送りできるよう模索中です。


* 動画の再生と小冊子のダウンロードはこちらのリンクからお願いします。

* JCCCWの詳細につきましては当館のウェブサイトをご覧ください。

 

© 2020 Japanese Cultural & Community Center of Washington (JCCCW)

Bunka no Hi culture festival JCCCW virtual bunka no hi

このシリーズについて

人と人との深い心の結びつき、それが「絆」です。

2011年、私たちはニッケイ・コミュニティがどのように東日本大震災に反応し、日本を支援したかというテーマで特別シリーズを設け、世界中のニッケイ・コミュニティに協力を呼びかけました。今回ディスカバーニッケイでは、ニッケイの家族やコミュニティが新型コロナウイルスによる世界的危機からどのような打撃を受け、この状況に対応しているか、みなさんの体験談を募集し、ここに紹介します。 

投稿希望の方は、こちらのガイドラインをご覧ください。英語、日本語、スペイン語、ポルトガル語で投稿を受け付けており、世界中から多様なエピソードをお待ちしています。みなさんのストーリーから連帯が生まれ、この危機的状況への反応や視点の詰まった、世界中のニマ会から未来に向けたタイムカプセルが生まれることを願っています。 

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新型コロナウイルスの世界的大流行に伴い、世界中で多くのイベントが中止となりましたが、新たにたくさんのオンラインイベントが立ち上げられています。オンラインで開催されるイベントには、世界中から誰でも参加することができます。みなさんが所属しているニッケイ団体でバーチャルイベントを開催する予定があるという方は、当サイトのイベントセクションに情報の投稿をお願いいたします。投稿いただいたイベントは、ツイッター(@discovernikkei)で共有します。今自宅で孤立している方も多くいらっしゃると思いますが、オンラインイベントを通して新しい形で互いにつながれることを願っています。