ジャーナルセクションを最大限にご活用いただくため、メインの言語をお選びください:
English 日本語 Español Português

ジャーナルセクションに新しい機能を追加しました。コメントなどeditor@DiscoverNikkei.orgまでお送りください。

culture

en ja

ニッケイを見いだす:詩のコラム

短型詩 – 俳句と川柳

今月は、日系人社会、そしてリトルトーキョーで愛されているクリエイティブなコミュニティメンバーのお二人を特集し、短型詩を楽しみたいと思います。サニー関(柳名:関三脚)さんは、これまで川柳(俳句と似ているが、四季や自然より人事に重きを置く短型詩)を教え、日系人庭師の100年にわたる物語が描かれた素晴らしい川柳コレクションの編集に携わってきました。フラン・イトウさんは、ここでは俳句のご紹介はわずかですが(英語のみ)、ビジュアル・コミュニケーション(アジア・太平洋諸島系アメリカ人映像作家を支援する非営利団体)のデジタル・ヒストリー・プログラムで熱心に活動するシニア映像作家です。お楽しみください!

- トレイシー・カトウ=キリヤマ

* * * * *

サニー関(関三脚)さんは、川柳を教え、「羅新川柳」選者を長く務めている。日系人が過去100年間に残した川柳を収集編纂した「北米川柳道しるべ」、「ガーデナー風雲録」(日英語)、さらには日本の新民話絵本、「招き猫の話」、「日本最後のカッパ」、「ゆこちゃんとダルマさん」、「こけしの話」の4冊(全て日英語)を出版。  

1947年、東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。写真スタジオを30年経営。パサディナのアート・センターでイラストレーションを学び、現在は絵本のプレゼンテーションで忙しく学校や図書館、イベントを回る。 

  一世の敷いた線路を客車行く 

  イチローに忍者を見てるアメリカン 

  枝豆のツルが世界を取り結び 

  根付かせた桜を愛でて移民逝く

  核の傘要らぬ日を待つ万国旗

* 著作権は、サニー・関さんに帰属します(2018年)。

 

* * * * *

オアフ島出身の中国系アメリカ人三世。マッキンリー高校卒業後、大学でビジネスを専攻し美術も学ぶ。ロサンゼルス在住。ロサンゼルス郡職員として約30年勤務した後、非営利の慈善団体で事務局長を23年務める。社会貢献の一環として全米日系人博物館、イースト・ウェスト・プレイヤーズ(アジア系アメリカ人で構成される劇団)、オーデュボン・センター・アット・デブス・パーク(環境教育と保全のための自然公園内の施設)、ロサンゼルス・コンサーバンシー(ロサンゼルスの歴史的建造物などの保存のために活動する非営利団体)などでボランティア活動に取り組んできた。

フランが情熱を傾けているのは、エディブルガーデニング(食べられる食物を取り入れた庭造り)、ハイキング、キャンプ、スキー、コンサート鑑賞など。旅行も大好きで、たくさんの国を訪れたことがある。現在は短編映画の制作に取り組んでいる。

  On the Road

  Freeway like lightning
  I see red lights heading north
  Morning sun kiss the hills

  Landscape

  Fruit trees now vineyards
  I drink Merlot in beer mugs
  Sweet smell of cattle

  Origami Encounter

  One piece star patterns
  White dress with matching shoes
  Wonder if it fits?

  Water Flowihg South

  Owens Aqueduct
  Wildflowers wave their hello
  My thirst will be quenched 

* 著作権はフラン・イトウさんに帰属します(2018年)。

 

© 2018 Fran Ito; Sunny Seki

Fran Ito haiku Nikkei Uncovered poet poetry senryu Sunny Seki

このシリーズについて

「ニッケイを見いだす:詩のコラム」は、文化や歴史、個人的な体験をめぐるストーリーを、多様な文章表現を通して共有するニッケイ・コミュニティのためのスペースです。過去から今に至る歴史、儀式・祭事・伝統としての食、伝統の儀礼と前提、土地・場所・コミュニティ、愛など、歴史やルーツ、アイデンティティに関わるさまざまなテーマによる幅広い形式の詩をご紹介します。

この月刊コラムの編集者として、作家、パフォーマー、詩人のトレイシー・カトウ=キリヤマさんをお招きしました。毎月第三木曜日には、詩作を始めたばかりのシニアや若者から、出版歴を持つ全米各地の詩人まで、1~2名の作品を発表します。無数の相違や共通の経験の間で織りなされる、人々の声の交差が見いだされることを願っています。