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https://www.discovernikkei.org/ja/journal/2017/3/2/nikkei-oshogatus-stories-2017/

2017年日系人のお正月ストーリー —その1

コメント

1月のニュースレターで 、世界各国の日系人読者の方々が、どのように新年をむかえられるかを写真や文章を通して紹介してくださるようにお願いしました。読者の方から英語・日本語・ポルトガル語による返事をいただきました。ジャスティン・イナハラさんからのストーリー (英語)はとても長かったので別にしてご紹介させていただきました。その他の方からのストーリーは、ここに紹介いたしますのでお楽しみ下さい。

Un-Chanto Woman』 の苦肉の策
: ナオミ・ヒラハラ

私は『un-chanto』であることから幼少期より広島生まれの母を度々悲しませてきた。セーターをなくさなければ鉄棒で回転するためにパディングとしてかけ、汚す事や、出かける前に行き方を前に調べないで長時間迷うことなど様々なエピソードがある。

年末の買い物客でごった返しているスーパーから帰ってみると、5ポンドの白米のかわりにもち米を買ってきてしまったことに気がついた。(どおりで、値段が安かったわけだ。)もちろん、スーパーへ戻って取り換えることもできたけれど、『un-chanto』である私は現代的な餅つき機を使わずに、そして臼や杵も使わずになんとかこのもち米を使って餅を作ってみることにチャレンジをしてみた。

グーグルで調べてみると、KitchenAid製のプロミキサーを使って餅をこねたという人がいた。KitchenAid製のミキサーは所持していないけれど、16年前に結婚祝いにもらった使い勝手の良いミキサーなら持っている。ちょっと変な形をした金属の付属品は「ドゥフック」という部品で、今まで使ったことがなかったけれど、餅をこねてみようとしている私がまさに必要とするものだった。

もち米を炊いたあと、そのべたべたしたかたまりをボールに入れて、ミキサーに「ドゥフック」を付けて混ぜてみた。小さな機械がオーバーヒートしないかと心配になったので10分間だけ使ってみた。べたべたした「餅もどき」のものが出来た。コーンスターチをまぶして置いておいた。

餅の形を整えるのにプラスティックラップが役に立ったが、お寺で作るような形の良い餅にはならなかった。味は正直なところ美味しいものとは言えなかった。ベタベタした食感が食欲を削いだようだ。雑煮にしたり納豆と一緒に食べるのだったら食べられるように思う。

こんなわけで、残りのもち米は食器棚の奥に入って、たぶん来年まで忘れ去られるのだろう。もしもっとよいレシピをご存知の方がおられたら教えて頂きたい。

* * * * *

日本のお正月~タカシの初めての体験
ラウラ・ホンダ・ハセガワ

ウィリアン・タカシ・オキさんが日本に着いたのは去年の9月でした。群馬県伊勢崎市にアパートを借りて、1人暮らしを始めました。

伊勢崎市の三恵技研工業で働きながら、楽しい毎日を送っています。ブラジルの家族や友人に新しい生活の写真付きの情報が、いつも届いています。それを見て、私たちも楽しんで、タカシさんの幸せを願っています。

タカシの年末年始

ブラジルのみんな、元気?すごく楽しみにしていた東京に来たよ!

渋谷は最高!めちゃ面白い!すごい!こんなイルミネーション見たことなかった!

今年はとても良かったけれど、来年はもっと良くなるように!Feliz 2017!

わっ、すごい!増上寺と東京タワーが良く写ってる!僕ってイケメン?それはどうでもいいけど、驚いたよ!増上寺は参拝客でいっぱい!寺の前でコインを投げて、拝んでいるのを初めて見た!僕もそうしよう。

初めて「おみくじ」を引いた。ワクワクしながら開くと、いろいろ書いてある!僕、漢字読めない!でも、英語は読める!「Your fortune: Excellent」と書いてあるよ。やった!!家に帰ったら、日本人の友だちに全部日本語で読んでもらおう。

初めてのお正月だ!

「外食はいいけど、家でも料理しなさい」と、かあちゃんはいつも言う。普段、ごはんとブラジルのフェイジョンを作るが、ほかの物はまだ。ちょっと前に、ペルー人の友だちに麺を貰ったので、コンビニで「つゆ」を買ってきて、写真を撮ってブラジルに送ったのだ。すると、ラウリンニャ(かあちゃんの大の友だち)が作り方を知っているかと聞いた。僕は、麺はどのくらいゆでるのか、つゆは直接かけるのか、いろいろ知りたかった。ラウリンニャは親切に教えてくれた。お陰さまでお正月のメニューが決まり!

部屋に来てくれたのは同じ町に住んでいるシゲル伯父さん(左)とその友だちのタカノさん(右)と同じアパートに住んでいるロベルトさん(前)。みんな日系ブラジル人の1人暮らし。伊勢崎で頑張っているデカセギたち。

初めて作った中華麺はみんな「上手い!」と言ってくれて、めちゃうれしかった!

では、今年もよろしくね。チャオ!

その2 >>

 

© 2017 Naomi Hirahara, Laura Honda-Hasegawa

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執筆者について

平原直美はエドガー賞を受賞した作家であり、複数の伝統的なミステリーシリーズとノワール短編小説を執筆しています。日本語、韓国語、フランス語で出版されている彼女のマス・アライ・ミステリーは、ロサンゼルスの庭師と広島の生存者が事件を解決する物語です。メアリー・ヒギンズ・クラーク賞を受賞した彼女の最初の歴史ミステリーである「クラーク・アンド・ディビジョン」は、カリフォルニアの戦時中の収容所から釈放された後、1944年にシカゴに移住した日系アメリカ人家族を追っています。羅府新報紙の元記者であるナオミは、受賞歴のある「ターミナル島:アメリカの端にある失われたコミュニティ」(ジェラルディン・ナッツとの共著)を含む多数のノンフィクション歴史書を執筆し、展覧会のキュレーションも行っています。彼女はまた、中学生向けの小説「1001 Cranes」も執筆しています。「クラーク・アンド・ディビジョン」の続編である「エバーグリーン」は2023年8月に発売され、「USAトゥデイ」のベストセラーリストに2週間掲載されました。

2024年10月更新


1947年サンパウロ生まれ。2009年まで教育の分野に携わる。以後、執筆活動に専念。エッセイ、短編小説、小説などを日系人の視点から描く。

子どものころ、母親が話してくれた日本の童話、中学生のころ読んだ「少女クラブ」、小津監督の数々の映画を見て、日本文化への憧れを育んだ。

(2023年5月 更新)

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