(英語) 審理に入る前に、陪審員は判事から指示を受ける訳ですが、私のケースについて判事は、「憲法についての議論はみなさん十分お聞き及びでしょうが、憲法が示しているところは今回の裁判には関係がありません。みなさんが考慮すべきは、大統領より発行された大統領行政令9066です。」と言いました。そして判事は、「みなさんには、この行政令がどの程度まで適用されるか、判断が任されています。この人物が、日系人かどうか。そして彼が日系人ならば、彼は禁止令に従ったか。従っていなければ、あなた方陪審員は有罪の評決を出さなければなりません。彼が従っていた場合、無罪となります。」と続けました。
陪審員が審理に入ってから評決を出すまで、時間はかかりませんでした。恐らく陪審員たちは、審理に入る前に充分な休憩をとり、指示書やこのケースに関わる書類にまず目を通したのでしょう。そして彼らは、裁判の決着ははっきりしているから、時間を無駄にしないでさっさと採決を取ろう、などと言い、審理を進めたのだと思います。実際に、陪審員は審理室からすぐに戻って来ました。結果は、有罪でした。「この決定は満場一致によるものですか?」という判事の問いに、陪審員は、「はい。」と答えました。こうして裁判は終わったのです。
日付: 1999年12月5日
場所: 米国、ワシントン州
Interviewer: トム・イケダ、アリス・イトウ
Contributed by: Denshō: The Japanese American Legacy Project.