(英語)ヘースティングス・パーク収容所で思い出すことがあるんです。収容所の周りをフェンスが囲んでいて、その外に出ることは許可されてはいなかったのですが、実際はフェンスを飛び越えれば外へ出ることができたんです。それはとても簡単で、大きいジェットコースターみたいなものがフェンスのすぐ近くまできていて、それを登ってほんの8フィート程のフェンスを飛び越えればよかったんです。ちょっと行って、フェンスを飛び越えれば外に出れたんですね。難しかったのは、中に戻ってくることでした。周囲にたくさん人が居る頃合いを見計らい、雑踏にまぎれて密かに収容所に戻るんです。若者の多くは抜け出してバンクーバーで1日過ごし、そしてまた収容所へ戻ってました。外に出ても行く場所なんかないですからね。外へ出るまではいいんですよ。でもその後どこに行けるというのでしょう?見た目にもマイノリティーだとすぐわかるので、どこか公園に泊まろうにもすぐ捕まってしまうでしょうし、結局収容所に戻ることになるんです。抜け出して行った人が戻ってこなかった、というケースもあったかもしれませんが、でも彼らはどこへ行けたでしょう?それが難題なんです。
日付: 2006年7月25・26日
場所: 米国、ワシントン州
Interviewer: トム・イケダ
Contributed by: Denshō: The Japanese American Legacy Project.