(英語)プライバシーがなかったのは大きな問題だったと思います。いくらプライバシーをもちたくても他に行くところがないんですから。収容所の生活はそれだけがっちりコントロールされていたんです。人はそうやって自分のスペースをなくすと、色々な悪影響を受けるのではないかと思うんです。また、収容所が長引かなかったのは本当に幸いだったと思いますね。というのもある男性が委員会(Wartime Relocation and Internment of Civilian-第2次世界大戦中の日系人強制収容に関する米国委員会)でこんな証言をしていたからなんです。「(実際に収容所に入れられていたのは)たった3、4年だったかもしれませんが、人々は制度化されたシステムに組み込まれ何でも上から与えられる生活に慣れてしまった」とね。みんな精神的にもだれてきて、率先して何かしようとする意欲を失っていったんです。特に1世の人達がそうでした。どっちみちすべてを失ってしまったのですから。そして(収容所での生活が)長くなればなる程、新たな生活を切り開き積極的に何かしようという気力を失っていきました。ですから、収容所の廃止が発表された時、人々は不安で一杯になったんです。外に出ることが怖くなってしまったのです。制度化されたシステムの悪影響はそんなところにもあったんです。
日付: 1998年8月26日
場所: 米国、バージニア州
Interviewer: ダーシー・イキ、ミッチェル・マキ
Contributed by: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター