(英語)父は、家族とはほとんど一緒に過ごしませんでした。大好きな仕事に、ほぼ100パーセント打ち込む人でしたから。それでも時々は、僕らを雪山なんかに連れて行ってくれました。それはもう、僕らにとってはものすごく特別なことでした。どこかに出かけられることなんて滅多にありませんでしたからね。そういう時も、父は必ずカメラを持参しました。そして目的地に到着して車を止めたと思うと、父はもういなくなっていました。日が暮れかかる16時か17時頃まで父の姿は見えません。だんだん寒くなってきて、「お父さんはどこに行ったんだろう」と思うわけですね。父はずっと向こうの方に行っていて、そこから車に向かって歩いて来るんです。そして戻るなり、「よし、じゃあ帰ろう」 と言うわけですね。その間父は、景色を写真に収めながらずっと歩き回っていたんです。
日付: 2001年3月22日
場所: 米国、カリフォルニア州
Interviewer: ロバート・ナカムラ、カレン・イシズカ
Contributed by: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター