ディスカバー・ニッケイ

https://www.discovernikkei.org/ja/interviews/clips/1303/

バショウカジキの話(日本語)

(日本語)魚の話はしましたか?

I*:いいえ。録音してもいいですか?

もちろん。ちょっと型破りですけどね。ちょうどラリーがメイコ・シャークに取り組んでいた時、ビル・ミッチェルは、相当釣りにはまっていたようです。ビルは、ゼネラルモーターズでラリーの上司でした。当時会社は、つまりラリーは、メイコ・シャークのデザインをしていたのですが、メイコ・シャークはショーカーで、次世代のスティングレイの前身となる車でした。

それでビルは、実際はシャーク(サメ)ではありませんが、その車を自分が飼っていた何かの魚と同じ色にしたかったようなのです。ビルのオフィスの壁側には水槽があり、飼っていたのは確かバショウカジキでした。青と濃紺で、腹部の方は白っぽい魚ですね。とにかくビルは、その魚にこだわっていて、何度も「(車体の)色が違う。」と突き返したそうです。塗装し直した車を見せに行っても、「違う。その色じゃない。」と言って戻されるので、彼らが何をしたかと言うと、ラリー曰く、皆で朝早くビルのオフィスに忍び込んで魚を盗み、車の色に合うように魚の方を塗り直したそうです。ビルは、車を見て、「うーむ。なるほど。」と言って魚に目をやり、結局全てうまく行ったそうです。

ですからラリーは、ただ単に真面目一本、デザイン一筋、というわけではなく、面白い人でした。ラリーは、職務を全うするためには何をすべきか知っていました。変わった話ですが、何度も繰り返し語られているようです。僕が彼にこの話の信憑性を聞いた時も、「うん、本当の話だよ。」と言っていましたから、実話なのでしょう。

* ”I” はインタビュアー(アキラ・ボック)


デザイン ラリー・シノダ ビル・ミッチェル ゼネラルモーターズ(企業) 自動車 自動車(motor vehicles)

日付: 2011年9月14日

場所: 米国、カリフォルニア州

インタビュアー: アキラ・ボック

提供: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター

語り手のプロフィール

ロン・クスミさんは、アナハイムの高校を卒業後、カリフォルニア工科大学ポモナ校で学位を取得し、その後、日産や三菱など、自動車業界で20年間働きました。ロンが有名デザイナーのラリー・シノダと出会ったのは、日産でアルミの合板ホイール開発プロジェクトに携わっていた時でした。ロンは、プロジェクトに関するラリーの簡潔なコメントを聞き、彼のスタイルと機能の神髄を見抜く目と非凡な才能に感銘を受けました。2人は、スポーツカーへの情熱を共有する友人となりました。ロンは、過去15年に渡り、カリフォルニア州ロングビーチで独立系撮影所を経営し、ケーブルテレビのための番組の構成、プロデュース、監督をしています。(2012年9月)

グレース・アイコ・ナカムラ

収容所でラリーが椅子をデザイン(英語)

カーデザイナー、ラリー・シノダの姉

グレース・アイコ・ナカムラ

ラリーの釣りの腕前(英語)

カーデザイナー、ラリー・シノダの姉

グレース・アイコ・ナカムラ

ラリーの危険なカーレースに対する母の反応(英語)

カーデザイナー、ラリー・シノダの姉

グレース・アイコ・ナカムラ

ラリーとクリントン大統領(英語)

カーデザイナー、ラリー・シノダの姉

グレース・アイコ・ナカムラ

コルベットの殿堂(英語)

カーデザイナー、ラリー・シノダの姉