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四世ビザが成功して五世、六世まで訪日就労しながら日本文化を学べるようになるならば、この査証制度は日系社会の将来を左右する大事な制度ではないか――そんな問題認識に基づいて、元デカセギ子弟で帰伯後にブラジルで弁護士になった島野パトリシアさん、デカセギ対応の最前線にいる国外就労者情報援護センター(CIATE)の専務理事・永井康之さんを迎えて、ニッケイ新聞の深沢正雪編集長と座談会を行った。
(※この座談会は2018年6月に実施され、その後の事情の変化を反映するために加筆訂正したもの。ニッケイ新聞からの転載。)
【永井】でも日系人が伝統を残すのは何なんでなんしょうね。アジアの人の特徴なんですかね。
【深沢】ブラジル社会のベースとなる欧州文化と「違うから」というのと、僕が個人的に思うんですけど「差別されるほど文化やコミュニティは残る」っていうことじゃないかと。差別されるからお互いの反作用で文化が根ずく、残っていく。たぶん日本に行った日系人は、日本育ちの次世代になったら、酷い差別を日本人から受けなければ「ほぼ日本人」になってると思う。
日系人は血縁ですから、日本人が一番受け入れやすい人ではないかと思います。まったく血縁のない外国人よりも、日本人にとっては受け入れやすい。だから、まずはそういう人たちを中心に受…
【永井】そうなんですよね。だからブラジルの場合は面白いですけど、ブラジルで生まれたらブラジル人じゃないですか。で、日本で生まれてもブラジル人なんですよね。
まあ、いろいろ憲法が変わって一時期、外国で生まれると無国籍になっちゃう時期もありましたけれど、今は日本などの外国で生まれた子供でも、ブラジル人の子はみんなブラジル人になる。日本人の場合は、日本で外国人の子供が生まれた場合は日本人にはなれない。で、日本人の子が外国で生まれても届出しないと日本人になれない。
【深沢】日本で生まれ育って「日本しか知らないブラジル人」ていう世代が今結構出てきてるわけだし、その人たちが例えば帰化したいと思ったときに、割…
日本にも「呼び寄せビザ」があれば良いのでは
【深沢】それで思ったんですけど、大半の日系人には日本ですでに永住・定住している親戚がいるような状態ですよね。
だから、その人たちが「呼び寄せる」って言う形もありじゃないかと。で、その人たちが呼び寄せるんだったら、結果的にサポーター的な役割をすることになる。今回の制度でも、サポーターには「永住者資格」のブラジル人でもなれる訳ですから、日本の親戚と連絡をとってバンバンとサポーターになってもらって、その親戚が働いているところに仕事も紹介してもらうというのが一番ありそうですよね。
ところで、日本に「呼び寄せビザ」という制度はあるんですか?
【永井】呼び寄せ…