第15回 おわりに
約一年半の在外研究期間を日本で過ごし、久しぶりにブラジルに戻ってきた。1996年、筆者がブラジル渡航後に身を寄せた古巣であるサンパウロ人文科学研究所(通称「人文研」)で、この稿を起こしている。「ブラジル最古の日系教育機関」と言われるのはサンパウロ市の大正小学校だが、その校舎の跡地に現在のブラジル日本文化協会ビルが建ち、わが人文研は、そのビルの三階にある。
今回は一ヶ月あまりの調査で、サンパウロ市から、州内陸部のトゥッパン、アラサツーバ、アリアンサ、プレジデンテ・プルデンテ、アルバレス・マシャード、州境を越えて北パラナのロンドリーナを周り、サンパウロに戻ってきた。ロンドリーナからサンパウロのコンゴーニアス空港までは飛行機…