(編集者注:本稿は、シアトルで行われた全米日系人博物館による全米カンフェレンス『Speaking Up! Democracy, Justice, Dignity』での日本語セッション「99年の愛/憎しみ(99 Years of Love / Hate)」(2013年7月6日)で発表された原稿です。) 2010年にTBS開局60周年および終戦65周年を記念しての「5夜連続特別企画」と銘打って、ドラマ『99年の愛~Japanese Americans~』(原題)が放映されました。そのキャッチコピーは以下のとおりです。
99年前にアメリカへ渡った日本人移民が、働くため、生きるために人種差別や戦争による逆境・苦悩を乗り越え、行きぬく家族の “愛の物語”。脚本家、橋田寿賀子が、自身の生涯のテーマでもある「戦争と平和」というテーマで描く最後の作品として、世代を越えて現在に至る彼らの魂、そして99年にわたるその変遷を描く中で、日本人の誇り、勇気、愛を問いかけます。
このセッションでは、3人の報告者(飯野正子、島田法子、粂井輝子)が報告します。まず私が、このドラマが全体としてどのようなものかという全体像と、作成の背景、そして、その作成過程において、私たち3人の研究者がどのように関わったのか、つまり時代考証についてお話しします。その後、島田さんは、私たち3人...