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国力が弱まった今こそ情報発信力を高めよ:日系社会との連携が1つのポイント - その2

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アニメ、ドラマは健闘しているが・・・

日本からの発信力が高まっている例としては、アニメやドラマなどのテレビ放送を挙げる。日本のテレビ番組の輸出額は2010年度62.5億円で、内容別に見ると、最も多いのはアニメ(47%)で、次いでバラエティー、ドラマ、スポーツなどとなっている。

輸出先は、アジアが50%で、ついで北米(25%)、ヨーロッパ(20%)となっている。日本におけるテレビ番組の輸出入バランス(時間)は、「輸入:輸出」の割合が、1980~81年は「1:2」だったのが、92~93年は「1:8」、さらに2001~02年は「1:14」と大幅に輸出超過だ。

ただし、韓国の場合は、2012年前半のポップカルチャー(映画、TV、ラジオ番組、音楽)の輸出額は1億4000万ドル(約110億円)と、日本の2倍以上という(KBS Worldより)。

アニメ以外にももちろん日本が世界に胸を張って発信できるものはあるが、その発信力がいま問われているというのが赤阪氏の主張だ。FPCJとしては、ジャパン・ブランドをはじめとした日本の魅力や強みについての素材を外国のプレスに提供。彼らに対するプレス・ブリーフィングやプレス・ツアーといった取材への協力を行っている。

しかし、もっと国を挙げての対策が必要だという。そのための具体的な提言としては、1つは、メディアから海外に向けた言語の多角化。海外向けでは、FPCJやNHKWorld、JapanPortal(共同)といったメディアがあり、ニッポンドットコムのように多言語で発信しているものもあるが、より多くのメディアの多言語化を進める必要がある。

このほか、「日本再生戦略の具体的実施-予算の配備」、「外国特派員へのアクセス改善-記者クラブの開放化」、「新聞大会のテーマとして『ニュースの海外発信の強化策』」、「日系報道関係者を含む『海外情報発信者会議』の開催」、「情報省」のような機関の設置の検討を挙げている。

軽んじていた日系社会の影響力

日系社会との連携の必要性を説く赤阪清隆氏

このなかで、日系報道関係者に協力を得る点については、これまでの日系社会に対する姿勢への反省がある。

「従来から、日本においては、海外の日系社会を日本情報の重要な発信者と見る認識は薄かったのではないか。日系社会の影響力を正当に評価してこなかったのではないか。日系社会に日本を発信する役割をになってもらったらどうだろう」と、赤阪氏は考える。

今日のように、これだけ海外に日本人が進出し、日系のコミュニティーができあがっていても、日本から駐在などで海外にいる期間限定滞在の日本人が日系社会とあまり交流を持たないというのはよく聞く話だ。

以前、本誌で紹介した全米で最も成功した日系スーパー、宇和島屋のトミオ・モリグチ会長(日系2世)が、「日本の会社の人は日系人にもっとアドバイスを求めたらいいのに」というように、日系社会は積極的に“活用”されていないようだ。

一般に日本社会は同族意識がつよく、それは国家単位だけでなく企業や学校といった組織やグループ単位でも、構成員個人の帰属意識が強い。反対に、組織やグループを離れたものに対しては、差別的な扱いをすることが少なくない。

故郷を離れたものに「故郷を捨てた」とか、会社を辞めたものに「会社にケチをつけた」などということもある。同様に、移民などのように海外に出た日本人に対しても、これまで偏見がなかったといえば嘘になるだろう。

日本の底力を海外の日本語メディアが伝えている

海外の日系メディアをみると、戦前からの移民社会から生まれた邦人紙のなかには、世代の移り変わりの中で役目を終え、廃刊したものもいくつかある。が、その一方で、情報誌の形をとって、新たにインターネットと紙媒体で展開しているメディアが各地で誕生している。

いずれにしても、扱うニュースととらえ方に違いこそあれ、現地と日本の情報を日本語で伝えることは、現地の日本人にとって有用であるのはもちろん、日本の日本人にとっても有用である。

東京を本拠地とする大手の日本のメディアが東京からの視点で、国内の読者だけを意識して送る海外の情報とはちがった、現地の日本人の視点によってより細かな情報が提供される。これら海外における日本が関わることへの理解が進むことによって、海外でいまなにが求められているかがわかる。

一例をあげれば、ブラジル、サンパウロを拠点とするニッケイ新聞に、先日日本でネイル・デザインを学んだ日系人女性がブラジルで高い評価を受けてビジネスとしても成功しているというニュースがあった。

これらは改めて日本人のもつ繊細さや美意識が国際的に評価されるということを教えてくれた例だろう。

仕事や作品における高品質な技術、経営におけるマネジメント能力など“よき日本”はしばしばこうしたメディアからうかがうことができる。

また、こうしたメディアはほとんどが日本語だが、日本に関心をもつ現地の人や日系人を通じて日本の情報が現地に伝わっているほか、アメリカでは英語記事も併用している新聞もあり日本への理解に貢献している。

これまでは日系社会、日系メディアに対する認識が低く、これらと連携を図ることができなかった。赤阪氏は、「伝統的な価値観、美徳、文化」など日本の持つ底力を発信するためにも日系社会との連携の重要性を強調する。


* 本稿は、JB Press (Japan Business Press - 日本ビジネスプレス)(2012年11月21日掲載)からの転載です。

© 2012 Ryusuke Kawai, JB Press

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Acerca del Autor

Periodista, escritor de no ficción. Nacido en la prefectura de Kanagawa. Se graduó en la Facultad de Derecho de la Universidad de Keio y trabajó como reportero para el periódico Mainichi antes de independizarse. Sus libros incluyen ``Colonia Yamato: Los hombres que abandonaron 'Japón' en Florida'' (Junposha). Tradujo la obra monumental de la literatura japonesa americana, "No-No Boy" (igual). La versión en inglés de "Yamato Colony" ganó "el premio Harry T. y Harriette V. Moore 2021 al mejor libro sobre grupos étnicos o cuestiones sociales de la Sociedad Histórica de Florida".

(Actualizado en noviembre de 2021)

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