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The Nikkei of Latin America and Latino Nikkei
南米日系社会の日本語教育
Alberto J. Matsumoto
前回のコラムで、世界には400万人が日本語を学習していると指摘したが、海外の日系コミュニティーだけ見るとどれぐらいの受講生がいるのであろうか。国際交流財団の2012年の報告書によると、南米には443の日本語教育機関があり1,652人の講師が32,968人に教えているとある。これは世界の学習者の1%にも及ばない。南米の日系人受講者の数は更に少なく、南米全体の半分かそれ以下だと推察できる。
The Nikkei of Latin America and Latino Nikkei
海外の日本語教育
Alberto J. Matsumoto
近年、日本のアニメやマンガ、和食ブーム等によって日本語を学習する人が海外でも増えており、そのことがきっかけで来日する外国人も増加している。
The Nikkei of Latin America and Latino Nikkei
ラテンアメリカの低い貯蓄率、日本も実はかなり低い?—日本の南米日系就労者世帯の貯蓄率は?—
Alberto J. Matsumoto
中南米諸国は、2000年頃から高い経済成長率が注目され、新たな中産階級による消費市場が世界の関心の的になった。石油や鉱物資源、穀物という第一次産品の国際価格が高騰し、多くの国々(ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、ボリビア、ベネズエラ、チリ、ウルグアイ、パラグアイ、ペルー、エクアドル、コロンビア等)の財政は潤い、充実した社会政策を展開し、今度こそ構造的な貧困や教育問題等を自己財源で対応できると考えられた。特に新興国として最も注目されたのはブラジルで、30数年後には現在の日本のGDP国内総生産550兆円を抜くだろうと予想されていた(2015年現在、ブラジルのGDPは220兆円相当)1。
The Nikkei of Latin America and Latino Nikkei
次世代日系人と日本との繋がりー中南米日系社会の変化—
Alberto J. Matsumoto
「次世代の日系人1」とは、いったいどのような日系人なのだろうか。単に中南米諸国に移住した日本人の子孫たち — 三世、四世、五世など(日本人だけでなく、ハーフやクォータ2等、他の人種・民族の血を引き継いでいる人たちも含む)— のことなのか。それとも、日本人離れした今話題の「ミレニアル(millennials)世代」的な日系人で、しがらみがなく、帰属意識も薄く、かつ柔軟で新しいもの好きで、クールジャパン的な要素に感心がある若者たちのことなのか。いや、もしかするとこれらすべての要素を少しずつもった世代なのかも知れない。「次世代の日系人」は、近年何に感心がありそれをどのように行っているのか、そして彼らは日本に何を期待しているのか、または、日本はこうした人材をもっと活用するにはどうしたらよいのか、少し検証してみたい。
The Nikkei of Latin America and Latino Nikkei
同一労働同一賃金原則は、外国人労働者には適用が困難?
Alberto J. Matsumoto
今年の一月末、政府は「ニッポン一億総活躍プラン」の一環として、同一労働同一賃金の実現に踏み込む考えを示した。正規と非正規雇用の間に存在する賃金格差の是正と、非正規労働者の所得改善という思惑がみられるが、この議論には賛否両論があることは言うまでもない1。
The Nikkei of Latin America and Latino Nikkei
日系人が知らないラテンアメリカと日本の経済関係
Alberto J. Matsumoto
ラテンアメリカには、165万人におよぶ世界でもっとも大きな日系社会が存在している。一方、日本には90年代から移住した日系就労者の定住化で、今や24万人の南米系の日系コミュニティーが形成しつつある。日系人とは、戦前と戦後の日本人移住者及びその子孫のことであるが、今では非日系配偶者を持つ家庭も増えており、コミュニティーもかなり多様化している。日本とは、日本語・日本文化というもので繋がっていることが多いが、国や世代によってその継承の度合いはかなり異なっている。南米と日本の日系コミュニティは互いにその存在を認識し合っているが、多くは各コミュニティの実態についてあまり把握していない。そのため、日本政府や企業が期待するような「架け橋」的な役割を果たせていないケースが多い。
The Nikkei of Latin America and Latino Nikkei
日本の日系人&南米の日系人—若者たちや新しい世代の団体運営の挑戦—
Alberto J. Matsumoto
南米諸国を訪れるといつも様々な日系団体のお世話になり、運営に関わっている役員と意見交換をする。経済成長で潤っている国では、日系社会もかなり景気が良いように映る。他方、この日本でも定住南米日系人たちは、いくつとなく全国レベルの団体を設立してきたが、ほとんどが日本の社会から認知される前に、消滅している。設立の際、領事館で約款まで認証してもらい、大使や総領事と記念写真を撮っても数ヶ月後にはほとんど機能していないことが多い。「連合会(Federación)」とか「全国協会(Asociación nacional)」とかいう名義だが、名ばかりの団体で何も代表していないのである1。
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日本の貧困率と定住外国人
Alberto J. Matsumoto
最近、日本のいくつかの活字メディアやブログ等でこの国の貧困問題について特集が掲載されている1。専門家の分析や、支援団体や研究グループ等が集計したデータを見ると、日本での相対的貧困率すなわち一人当たりの所得の中央値の半分以下の人の割合が6人に1人で、貧困率は16.1%である。OECD加盟国30ヶ国の貧困率を比べると、メキシコが20%、トルコが19%、アメリカ合衆国が17.4%とあり、日本は第4位と高い貧困率を示している(2012年統計2。)