記録文学としての短歌、俳句、川柳:一世が詠んだ民主主義、正義、尊厳 - その1/2
本日は、「短歌、俳句、川柳が詠む民主主義」と題して、最初に、「民衆の文学」として初期の作品を、つぎに「生活の記録、感情の詩」としてアメリカの生活を詠み込んだ作品を、最後に「アメリカ民主義 排日からリドレスまで」と題して、作品をいくつか取り上げます。
1. 民衆の文学
俳句や短歌、川柳は日本の「国民の文学」とでもいうべき文学形態で、一般の人々の生活に根ざしていました。当然、アメリカに行っても、生活の一部として作っていたものと考えられます。移民史などの史料を総合しますと、1904年ころには俳句や短歌の会がサンフランシスコ、オークランド、シアトル、ポートランドに生まれています。
サンフランシスコの日本語新聞であった『新世界』で…