From the perspective of two countries
There are approximately 3 million Japanese people living overseas, of which approximately 1 million are said to be in the United States. Japanese people in the United States, which began in the latter half of the 19th century, have at times been at the mercy of bilateral relations, but through their two cultures, they have come to have a unique perspective as Japanese people. What can we learn from these people who have lived between Japan and the United States? We explore the new worldview that emerges from the perspectives of the two countries they hold.
*This series is reprinted from Renso Publishing 's web magazine "Kaze," which features information about new books, such as articles linking new books to current issues and daily topics, monthly bestsellers, and columns reviewing new books.
Stories from this series
ベリナ・ハス・ヒューストン~自らをアメラジアンと呼ぶ日系2世の劇作家 -その5
April 30, 2010 • Tatsuya Sudo
>>その4多文化、多人種の劇作家としてヒューストンは子どもの頃から文章を書く才があり、高校生の時に書いた詩がカンザス州の賞を獲得している。カンザス州立大学でジャーナリズムの学位を得た後ロサンゼルスに移り、1981年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で戯曲「Asa ga Kimashita」を書いて修士号を取得。その後、南カリフォルニア大学の映画学科で博士号を取り、現在は同大学の演劇学部で演劇論を講じている。また、1990年には学内で脚本部門の大学院を立ち上げ、創作の指導をし…
ベリナ・ハス・ヒューストン~自らをアメラジアンと呼ぶ日系2世の劇作家 -その4
April 23, 2010 • Tatsuya Sudo
>>その3戦争が世界にもたらすものを見つめる日本人とアメリカ軍人との間に生まれたヒューストンにとって、戦争は、人種と同様、大きなテーマである。2007年に、戦争をテーマにした「ヒロシマよ、アフロディテよ―女と影―」が、ロサンゼルスで初演され、昨年(2008年)の8月には日本でも、練馬区にある「ブレヒトの芝居小屋」でリーディングの形での翻訳版が上演された。 1955年5月、被爆した25人の女性たちが、ケロイド治療のために渡米し、1年半の間に計138回の形成手術が施された。「…
ベリナ・ハス・ヒューストン~自らをアメラジアンと呼ぶ日系2世の劇作家 -その3
April 16, 2010 • Tatsuya Sudo
>>その2歴史書から消された戦争花嫁を戯曲に1985年に初演されたこの作品は、『Unbroken Thread』(1993)という戯曲集に台本が収められており、この本の表紙に「ティー」のアメリカでの公演時の写真が使われている。 写真に映っている5人は、カンザス州のジャンクション市に住む5人の戦争花嫁、ヒミコ、アツコ、セツコ、チズエ、テルコ。出身地も夫の人種も違う5人は、ヒューストンの母を含めて、彼女がジャンクション市で知り合った複数の戦争花嫁がモデルになっている。 主人公…
ベリナ・ハス・ヒューストン~自らをアメラジアンと呼ぶ日系2世の劇作家 -その2
April 9, 2010 • Tatsuya Sudo
>>その1アメリカ人とアジア人の親をもつ子どもとして 戦争花嫁の子どもであるベリナ自身も、様々な差別に遭遇している。沖縄出身の日系移民から「あなたのお母さんは売春婦だった」と言われたこと、学校での優秀な成績を学校側が認めたがらないことなど。アメリカは彼女を日本の子と見なし、日本はアメリカの子と見なす。でも、彼女は、そうした両方の存在であるがゆえに、アメリカの持つ独立心の感覚と日本人が持つ集団やコミュニティの感覚の両方をうまく融合することを学び、新しい考え方を創造している、と…
ベリナ・ハス・ヒューストン~自らをアメラジアンと呼ぶ日系2世の劇作家 -その1
April 2, 2010 • Tatsuya Sudo
以前に取り上げたフィリップ・ゴタンダと並んで、ベリナ・ハス・ヒューストンは、日系アメリカ人を代表する劇作家である。出版された作品数は、ゴタンダが8、ヒューストンが6、電子書籍を含めるとゴタンダが15で、ヒューストンが11である。この数字は、日系だけでなく、アジア系、という枠組で見ても、かなり多い。 2人の出自はずいぶん異なる。ゴタンダは両親とも日系人の日系3世だが、ヒューストンは父親がアフリカ・ネイティブアメリカン系、母親が日本人の戦争花嫁なので、3つの血が混ざった2…
アケミ・キクムラ=ヤノ ~ ミクロとマクロの視点で日系人史を再構築する人類学者-その4
March 26, 2010 • Tatsuya Sudo
>>その3「もし日本にいたら・・・」1世女性たちの人生キクムラは、母以外の1世女性からも聞き書きを行っている。それをまとめたのが『Mukashi Banashi: stories of the past from Issei Women in Fowler, California(昔話-カリフォルニア州、ファウラーの1世女性たちの物語)』で、『Promises Kept』でも、最終章にこのときの話が引用されている。 1981年の夏、彼女はカリフォルニア州フレズノのファウラー…