Keiko Fukuda

Keiko Fukuda was born in Oita, Japan. After graduating from International Christian University, she worked for a publishing company. Fukuda moved to the United States in 1992 where she became the chief editor of a Japanese community magazine. In 2003, Fukuda started working as a freelance writer. She currently writes articles for both Japanese and U.S. magazines with a focus on interviews. Fukuda is the co-author of Nihon ni umarete (“Born in Japan”) published by Hankyu Communications. Website: https://angeleno.net 

Updated July 2020

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トラックドライバーに憧れて高校で米留学、移民法弁護士の冨田有吾さん

階級社会アメリカを体感 日本から渡米し、アメリカに根を下ろして活躍する数多くの新一世に取材してきた。今回、縁があって取材が実現した移民法弁護士の冨田さんの渡米理由はユニークだ。ロサンゼルスで日本語を話す弁護士が所属する事務所として常に名前が挙がる冨田法律事務所の代表の冨田さん、「アメリカで弁護士になる」という夢を抱き留学してきたのかと思ったら、留学を決行したきっかけは「トラックドライバーになること」だったと言うのだ。 「実家は大阪で、お寺に納めるお守りを作る工場を経営していました。アメリカとのつながりは全くなかったのですが、アメリカに憧れていた親父が、家で英会話のテープを聴いて勉強したりしていました。私自身は中学の頃にトラックドライバーを描いたアメリカ映画『コンボイ』を見たのが、渡米のきっかけとなりました。高校に進学したけれど男子校だったし(笑)、ここにいても何もいいことはないと思うようになったんです。それで、学校に貼ってあった交換留学の告知を見て、家族に相談し、ユタ州の高校に留学しました」。 ユタ州ソルトレイクシティーではモルモン教徒の白人家庭に1年間滞在。留学期間を終えて日本に帰ったが、アメリカに対しては消化不良のような気持ちが残った冨田さんは、日本の高校を退学し、今度はフロリダの高校に再留学した。 「フロリダではキューバ移民の家庭にホームステイ、高校はキューバ人…

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ロサンゼルス七夕フェスティバルを牽引する米澤義人さん

継続望むが問題は人手不足 毎年8月開催のロサンゼルスの日系社会最大の祭り、二世ウィークフェスティバルで、2009年以降、会場のリトルトーキョーを訪れる人々の目を楽しませてきたのがロサンゼルス七夕フェスティバルの七夕飾りだ。本場、仙台から送られる大きな飾りは、日系社会の人々のルーツの国である日本の夏祭りを思い起こさせてくれる。 最初にロサンゼルスの七夕祭りを取材したのは開催2年目の2010年のことだった。フェスティバルを前にロサンゼルスに駆けつけた仙台市の鳴海屋紙商事の六代目、鳴海幸一郎さんと、同社七夕企画室の山村蘭子さんが、現地の日系社会のボランティアに七夕飾りの作り方を熱心に指導していた光景が、今も懐かしく思い出される。その時にも、当時の宮城県人会長だった米澤義人さんは、故郷宮城県の七夕祭りをロサンゼルスの人に披露するため、仲間たちと共に一心に飾りを制作していた。 そして、13年後の今年7月、米澤さんは、1カ月後の七夕フェスティバルにロサンゼルスから出展する日米の国旗をあしらった飾りを製作するため、日米文化会館内のパイオニアセンターでワークショップを実施していた。 「コミュニティーの皆さんのおかげで、ロサンゼルスの七夕祭りを今まで続けることができました。コロナ禍の間も日本から大きな飾りを送ってもらい、文化会館の前に飾ったり、またニューヨークのNBC(チャンネル4)に…

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日本で生まれ育ったイギリス人 — ジョシュア・トムソンさん

祖父母の代で渡日 ある時、「You Tube」のお薦め動画に白人男性とアフリカ系女性との対談が上がってきた。薦められるままに見始めたが、気付くとあっという間に26分の動画を見終わっていた。 どこが面白かったのか?まず、動画の発信者の白人男性ジョシュア・トムソンさんもゲストのティファニーさんも日本語がネイティブ級に上手だったこと。そして外見から判断すると明らかに「日本人ではない」二人が実は日本で育っていたこと(つまり日本語がネイティブだということ)。ジョシュアさんの動画からは、「ほとんど表には出ていない日本の多様性」が実感を伴って伝わってきた。 こうして、ジョシュアさんの動画に出会った後、日本生まれ育ちながらさまざまなバックグラウンドを持つ人々をゲストに招いたジョシュアさんの動画シリーズ『ジョシュアinロンドン』を私は次から次へと見続けた。それによってジョシュアさん自身が誰なのかも分かってきた。 彼の祖父母は父方、母方共にプロテスタント系のキリスト教宣教師として、日本に1950年代から60年代に日本に渡ってきた。父方の祖父はオーストラリア出身、母方の祖父はニュージーランド出身だが、ジョシュアさん自身の国籍はイギリス。その理由は、ジョシュアさんの父方の祖母の故郷であるロンドンで、ジョシュアさんの父親が生まれたことでイギリス国籍となったからだ。 ジョシュアさんは1990年…

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アメリカで生まれ育った日系新二世・大卒後に日本で4年半過ごした青山裕美さん

新二世っぽさ 日本で生まれ育ち、アメリカに移住してきた私はいわゆる「新一世」だ。そして、私の子どもたちは「新二世」に当たる。しかし、一口に「新二世」と言っても、彼らの日本語や日本文化の適応度はさまざまだ。日本語学校に通ったか、通わなかったか、親が家庭で日本語の会話を徹底していたか、していなかったか、または夏休みに日本の学校に体験入学したか、それともしなかったかなど、親の教育方針、友達関係、環境、経験、そして本人の指向によって、「日本人度合い」は大きく異なる。 青山裕美さんはロサンゼルスにある非営利団体の広報の仕事に就いている。日本語雑誌の記事のために、最初にオンライン取材をさせてもらった時に、日本語は完璧だが、どこか「新二世っぽさ」を感じた。日本で生まれ育った人がアメリカに留学してきて、そのままアメリカで働いているケースだってある。しかし、青山さんの醸し出す雰囲気は「元日本人留学生」ではなかった。新二世の子どもたちを育てた親の勘としか言えないが、青山さんには私の子どもたちに通じるものを感じたのだ。 聞けば、父親の仕事の関係で、アメリカで生まれ育ち、アメリカの大学を卒業した後に日本の企業に就職、数年日本で過ごした後に「価値観の違い」を理由に、再びアメリカに戻ってロサンゼルスで働いているのだと話してくれた。私の勘は当たっていた。早速、「日系のアイデンティティーをテーマにした媒体…

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日本のアニメと世界のファンをつなぐ — アニメ・エキスポの松田あずささん

息苦しかった日本の生活 ダウンタウンのコンベンションセンターを会場に、毎年大々的に開催されているアニメの祭典、アニメ・エキスポ。その規模は北米最大、コロナ禍前の2019年7月に開催された同エキスポでは、4日間で実に35万人以上のアニメ・ファンを集めた。年を重ねるごとに拡大し、認知度を飛躍的に高めている感があるアニメ・エキスポだが、同組織でビジネスディベロップメント担当のバイスプレジデントを務める松田あずささんと知り合う機会があった。彼女がなぜアニメ・エキスポに関わることになったのか、強く興味を引かれた私は、松田さんの過去、現在、未来を取材させてもらった。 松田さんがアメリカに来たのは、日本の中学を卒業した直後、15歳の時だった。 「高校留学という形ですね。当時は個人留学をする人は少なかったし、インターネットの時代でもなかったので、高校へのアプリケーションを送るために、両親がファックスの機械を導入してくれました。なぜ、高校でアメリカに留学しようと思ったか?私は中学時代、周囲から浮いていて、日本の生活を息苦しく感じていたことから、アメリカでは一般的だと言われていた医療分野でのカウンセリングの仕事、つまり精神科医に就きたいと思うようになったんですね。 アメリカで勉強するにはいつがいいかと考えた時に、高校卒業後では英語を身につける点でも遅いと思い、両親に高校留学をしたいと相談し、…

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