以前このサイトのフォーラムで、ヴィクトリア・クラウスさんがスペインにいる日本人移民についての情報を求めて書き込みをしたことがある。日本人の血を引く一スペイン人として、この場を借りてスペイン、特に私の育ったマドリードに住む日本人について私見を述べることにする。
スペインと日本の交流の歴史を遡ると、その起源を16世紀にみることができる。その時代に宣教師フランシスコ・ザビエルが日本にキリスト教を伝え、その後、ポルトガル人商人が既に行っていた南蛮貿易にスペイン人も加わるようになる。
また周知のように、日本側もヨーロッパ、ないしスペインに使節団を派遣した時代でもある。具体的には、九州のキリシタン大名たちが「天正少年使節」を送り、その直後に伊達政宗が「慶長使節」を派遣した。後者の使節団の中に、日本に帰らずスペインに留まった日本人が数名いたと言われている。その子孫とされている人たちは「ハポン」(スペイン語では「日本」の意)という苗字を持つことになり、特にセビリヤの近くにあるコリア・デル・リオ市に現在でも多く住んでいる。(http://www.discovernikkei.org/wiki/index.php/Spain).
慶長使節団とハポン姓を持つ人びとの関連を証明できる決定的な証拠は存在しないが、事実であるとすれば、スペインに定着したあの日本人たちはヨーロッパ圏における最初の日本人移…