ディスカバー・ニッケイ

https://www.discovernikkei.org/ja/interviews/clips/533/

アジア系アメリカ人のポップカルチャーやアートに対する日本人の見方(英語)

(英語) 日本の人達は『ジャイアント・ロボット』をデザインとか文化を取り上げるアメリカの雑誌として捉えていたと思います。アジア系アメリカ人の雑誌であるとか、僕のことをアジア系アメリカ人として見るんじゃなくてね。それって良いことだと思うんです。なぜかって、長い間日本では、なんて言うかなぁ、日系アメリカ人のことを蔑視するというか、とにかく僕が日系じゃないアメリカ人と同じようには尊重されてないような風潮があったと思うんですよ。でも日本に居る僕の友達が言うには、『ジャイアント・ロボット』のような雑誌は、アジア系アメリカ人もポップカルチャーの大枠を担っていて、一般的な意味でのアメリカ文化に貢献してるんだってことを、日本人が理解する助けになってるって。アジア系アメリカ人も重要な役割を担ってて、マルボロ・マンに象徴されるような文化だけじゃないってね。そういう意味で、その友達が言ってたことは核心を突いてたよね。僕はいつもアジア系アメリカ人は一般的に言って、アジア人から見過ごされてるって感じてたから、僕も『ジャイアント・ロボット』を通して一役担えて嬉しいですよ。


日付: 2005年11月27日

場所: 米国、カリフォルニア州

インタビュアー: ジョン・エサキ、ジャニス・タナカ

提供: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター

語り手のプロフィール

エリック・ナカムは雑誌『ジャイアント・ロボット』の創設者・出版社社長です。ロサンゼルス出身の三世で、典型的な日系アメリカ人の家庭に育ちました。土曜日に日本語学校へ通い、そこで基本的な日本の文化や伝統を学び、その当時の経験は、現在の彼の日系アメリカ人としてのアイデンティティを形成するのに大きな役割を果たしています。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校東アジア研究学科を卒業後、Larry Flynt出版に就職。そこで働いている間、アメリカのアジア系のポップカルチャーに焦点を当てた雑誌を出版することを思いつきます。1994年、共同創始者となるマーティン・ウォングとともに、自らコピー・製本し『ジャイアント・ロボット』の第1版を出版しました。ミニコミ誌として始めた『ジャイアント・ロボット』は、当初の売り上げは約240部ほどでしたが、現在ではアメリカ国外にも購読者を広げています。

『ジャイアント・ロボット』の成功を元に、日本からの輸入品を取り扱う店をロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコにオープンしました。これらの店では、商品を売るだけでなく、地元のアーティストの作品などを展示し、サポートしています。また、gr/eatsという名のレストランもオープンしました。

ナカムラは、『ジャイアント・ロボット』の雑誌の仕事に付け加え、『サンセット』と呼ばれる映画制作やそのほかのプロジェクトにもにもかかわっており、2006年、彼のアメリカにおける文化的な貢献に対し、全米日系人博物館より賞を受賞しました。(2006年10月26日)